肉々しさとソースの旨さが絡み合う絶品ハンバーグ

さっそくランチメニュー(平日ランチタイム限定)を見てみましょう。専門店だけあって、メニューはハンバーグオンリー。ただし、ハンバーグの大きさ、焼き方が選べるほか、追加料金なしでライスの量も大中小とチョイス可能。さらにサラダと味噌汁付きで1300円〜2200円です。
また、ソーセージやからあげ、チーズ、ベーコンや目玉焼きといった有料トッピング(120〜180円)も添えることができます。

さて、メニュー表を前に、多くの人が少し悩むと思います。理由はサイズです。皆さんはハンバーグとライスどういう組み合わせで選びますか? 少食の人は、ハンバーグは一番小さいSSサイズで、ライスは小盛、大食いの方ならハンバーグはMかLで、ライスは大盛もしくは特盛りといったところでしょうか。
筆者の場合、胃袋の大きさは普通ですが、ハンバーグとなると話は別。一般的なサイズでは、ライスが足りなくなるんです。とはいえ、ライスを大盛りにしたいほど大飯喰らいでもありません。
というわけで、ライスは中盛(200g)で、ハンバーグはSサイズ(180g)でトライしてみることに。後々、これが正解だったとわかりました。というか、こんなふうに自分でボリュームバランスを自由に調整できるのはありがたいシステムですよね。
肉の焼き加減も、ミディアム・ミディアムウェルダン・ウェルダンと、まるでステーキのように選べます。今回は、『札幌牛亭』オススメのミディアムにしてみました。待つことしばし。登場したのがこちらです。

丸い鉄板の中央に、切れ目が入った楕円形のハンバーグが鎮座。周りにかけられたソースがマグマのようにジュウジュウ&グツグツと煮えたぎり、周囲に飛び散る勢いです。あわてて紙エプロンを装着しました。
少しソースが落ち着いてから、お箸でハンバーグを1切れつまんでみます。写真のとおり、お肉の断面はかなり赤いレア状態。この赤身加減に少し驚くかもしれませんが、『札幌牛亭』のハンバーグの美味しさはこの赤身にこそあります。

このハンバーグは、厳選した牛肉を丁寧に挽いており、つなぎも下味もなし。さらに赤身の美味しさを存分に楽しんでもらうため、お肉が最高のパフォーマンスを発揮するミディアムで提供するのがならわし。その肉は、まるでステーキに近い肉々しさ。つなぎの玉ねぎなどもないので、味覚中枢にダイレクトに牛肉の旨さが伝わってきます。

そして、このハンバーグをさらに美味しくしているのが、秘伝の自家製ソース。野菜をベースにしてじっくり煮込み、ガーリックとブラックペッパーを効かせたこのソースがまた最高にウマい。

赤身肉のトロッとした部分と、しっかり焼かれたこんがり部分の食感のコントラストと、肉そのものの芳醇な旨味。そこに、にんにくと胡椒のパンチが効いた秘伝のソースが絡まり合って……もう最高です。
そして、このハンバーグ、ライスとの相性が良すぎるのも魅力。ハンバーグをライスの上にのせて一緒に食べるのはもちろんのこと、ハンバーグをライスにバウンドさせて、ソース味でごはんをかっこむのも至福です。

というわけで、『札幌牛亭』のハンバーグの赤身肉の破壊力は異常。さすが、ハンバーグのレベルが高い池袋で愛されているのも納得の味わいでした。
(撮影・文◎土原亜子)