ブロッコリーバーガーの味わいとは?

豊島園駅から徒歩2〜3分の場所にある『THE GIANT STEP』は、ランチどきは店先の歩道に行列ができる人気店。筆者が訪れた日も、すでに10名ほどの行列ができていました。並んでいる間に、お店の人からメニューが渡されます。

シンプルなハンバーガーやチーズバーガー、ベーコンチーズバーガー、はたまたハンドチョップしたヘビー級のステーキパティのヘビー級バーガーなど、メニューは多彩です。
その中から筆者は噂のブロッコリーバーガーを食べようとメニューを探していたのですが、見当たりません。少し迷ったのですが、しばらくして「HOW TO ORDER」(注文方法)のところに来て謎が解けました。

どういうことか。ここではハンバーガーの種類を選んだ後に、3つのスタイルをセレクトすることになっています。1つ目は「ニューヨークスタイル」(N Yで流行中の生野菜抜き)、2つ目は「クラシックスタイル」(昔ながらのレタス、トマト、ピクルス入り)、そして3つ目が「オリジナルスタイル」。
3つ目を選ぶと、このお店の名物であるブロッコリーを挟んでくれるという仕組み。つまり、どんなバーガーを頼んだとしても、「オリジナルスタイル」を選べばブロッコリーバーガーになるわけです。

今回はブロッコリーが入るとハンバーガーはどうなるのか、それをシンプルに体験すべく、ベーシックな「チーズバーガー」(1080円)を「オリジナルスタイル」で注文してみました。待つこと10分ほどでブロッコリー入り「チーズバーガー」が登場。

大きなバンズに肉厚のパティ。これは、マクドナルドのチーズバーガーの1.5倍〜2倍はありそうです。そして肉々しいパティの薫香を感じます。
肝心のブロッコリーですが、写真のようにパティの上に4〜5個のっています。実はブロッコリーがパティ状に変形されているのでは? と勝手に想像していたのですが、そのまんますぎて思わず「そのまんまかよ!」と突っ込んでしまいそうになりました。しかし肝心なのは味です。気を取り直していただきます。

バーガー用の包み紙でバーガーをくるみ、口角の左右を最大限に広げてガブリ。クラフトバーガーは思い切り大口を空けて、バーガーの周辺にまとう空気まで食べるのが醍醐味です。
最初に感じるのが、バンズの美味しさです。表面はカリッと焼かれていて小麦の香りがふわり。甘みは少なく、ややカサカサっとした乾き系。でもこれがイイんです。ビーフパティのジューシーな肉汁やオリジナルのソースをこのパンがしっかりと受け止めるので、これがベスト。このハーモニーが最高なのです。
そして、パティのビーフは、ひき肉をこねすぎていない“肉力”が強いタイプ! バンズもパティも、いい意味で荒々しく、“男前”な感じがします。

これに加わるのが、例のブロッコリー。茹で加減がよく、コリコリっとした食感です。しかもこのブロッコリーの味わいが、肉の荒々しさ、肉汁の脂感を程よく受け流してくれるので、食べ進めていっても、いつまでもちょうどよいさっぱり感があります。
正直、ブロッコリーバーガーは、“まんま”を挟んだだけ、と思った自分が恥ずかしくなりました。だって、これがあるのとないのとじゃ大違い。そして、これを考えた人すごい! と絶賛したくなるほど、非常に良きトッピングなんです。
まとめ

重くなりがちなクラフトバーガーですが、ブロッコリーを挟んだだけで、食感も味も軽やかになり、しかも元のバーガー自体の味の良さも際立って、大きくてもペロっと食べられます。これはもはや“ブロッコリーマジック”と呼んでいいのでは?
今回は、シンプルなチーズバーガーにしましたが、この“ブロッコリーマジック”があれば、サーロインステーキを使った分厚いパティ(通常の1.5倍)のヘビー級バーガーもペロッと食べられると思います。
(撮影・文◎土原亜子)