蔵元主催！ 20代主催！「二才の醸（かもし）呑み比べイベント」【レポ】
7月15日、広尾にほど近いイベントスペースを貸し切って開催された「二才の醸 呑み比べイベント」は、新潟・宝山酒造の主催。主催スタッフは五代目蔵元・渡邉桂太さん、営業担当・若松秀徳さんの20代コンビ。
「二才の醸」というのは日本酒の銘柄。ご存知の方もいると思うが、日本酒業界では異例の銘柄譲渡酒（という言い方はない）。ひとまず、簡単に説明しよう。
そもそも「二才の醸」とは埼玉・石井酒造の銘柄。同世代に日本酒への関心を持ってもらおうと「20代で造る酒」として生まれたのが始まり。「20代」というコンセプトで企画した手前、杜氏が30歳になった時点で仕込みは終了。となるはずだったのだが、その思いを受け継いでほしいとバトンを渡されたのが新潟・宝山酒造。
えっ？ 銘柄って譲渡できるんだ！ ってことになりますよね。はい、極めて珍しいケースだそうです。「二才の醸」という銘柄を使うということと20代が造るということ以外はなんの制約もなし。味、変わってきますよね。はい、それでもいいんですって。これまた大胆かつ革命的！
ちなみに蔵人だけならず、酒米を作る農家、ラベルデザインまで20代が手がけるという徹底ぶり。20代以外は手も足も口も出せないのだ。20代をとうに過ぎた者は、ここはひとつ若い者同士で…とお見合いの立会人の気分でいるしかない。次世代を担う20代の酒造りを温かく見守る、ただそれだけ、というお酒があるのです。
つまり、今回の呑み比べというのは石井酒造と宝山酒造それぞれの「二才の醸」が味わえる企画イベントというわけ。造り手である20代が「同世代に飲んでもらいたい」というお酒だが、元20代の皆さん、飲む権利はあります！ というわけで20代をとうに過ぎた筆者も参加させていただいた。
この銘柄譲渡酒「二才の醸」は、全国紙にも取り上げられ、すでに完売となったいわば話題酒。ユニークな生い立ちを持つ「二才の醸」だが、現在29歳の宝山酒造・渡邊さんが手がけるのは今年が最後。次なるバトンの行方も気になってくる、そんな日本酒イベントなのであった。
6000人超のマンモス級、300人クラスの県特化型ときて、こちらは定員40名。随分極端な……とお思いでしょうが、今回のようなイベントをはじめ、飲食店主催イベントなどはお店のスペース上、中小規模のものが多い。
とはいえ、日本酒愛溢れる店主や飲食店には、ごひいきの蔵元を招いてのイベントや、季節の酒しばり、酒米しばりとさまざまな企画で日本酒を楽しませてくれるアイデアマンが多い気がする。蔵元主催の地元密着型イベントも多彩で、ヒョイと飛んで行けるものなら日本全国の酒蔵に行きたい！ そんなイベントは山とあり、日本酒好きには悩ましいところである。しかし、悩んでいても始まらない。そんなときは、迷わず行けよ、行けばわかるさ。日本酒イベントも夏フェス同様、気になるお祭りにでかけるような気分で参加するのが一番です。
これから開催する日本酒イベント情報をチェック！
開催目前！
●「岐阜の地酒に酔うin東京」
日時：7月23日（日）13:00～16:00
場所：如水会館（スターホール・オリオンルーム）
近日、食楽webニュース記事にて紹介！
●「西国地酒フェスティバルin 横浜」
日時：7月30日（日）14:00～16:30
会場：ハーバーズ・ダイニング（関内・メディアビジネスセンター1階）
●「第9回雄町サミット」
日時：8月8日（火）
場所：グランドパレス（飯田橋）
●「ふくしま美酒体験in渋谷」
日時：8月19日（土）14:00～16:00（1部）／18:30～21:00（2部）
場所：セルリアンタワー東急ホテル
