「魚介を丸ごと使った超濃厚スープ」×「釜揚げ」という新感覚つけ麺

今回筆者は、おすすめだという「喉黒の釜揚げつけ麺」(1030円)をオーダー。麺は小250g、標準サイズの中が300g、大が400g、特大が500g、超盛が600gで用意されています。

『威風堂道』の一番の特徴であるスープは、飛び魚アゴ出汁をベースとし、素材をまるごと使用した炭火焼き特殊ペーストを合わせたもの。メニューやレシピは『炭火焼濃厚中華そば海富道』を踏襲しながらも、スープのキモとなる一部の特殊ペーストは食べられるのに捨ててしまうもったいない魚たち、いわゆる未利用魚を活用し、フードロスにも着目したコンセプトを掲げています。
スープは鯖、鰯(いわし)、烏賊(いか)、鯵(あじ)、喉黒(のどぐろ)、海富そば(未利用魚)の6種類がラインナップ。メニューごとに魚の頭から尻尾までをまるごと使用した炭火焼き特殊ペーストを、特製だしに合わせています。ちなみにつけ麺タイプでは麺にスープがよく絡むよう、炭火焼き濃厚スープに自家製の特製粉を加えてとろみを出し、つけ汁として仕立てています。
喉黒を丸ごと焼いて使用しているという今回のスープは、ドロっとしたテクスチャーで、凝縮した魚の味わいがありながらも油っぽさはそこまで強くなく、するすると食べられるスープに仕上げられています。

国産小麦やかんすいを配合した独自開発麺は、つけ汁の強さに負けない食べ応えと風味が特徴。フェットチーネのようなつけ麺用の中太ストレート麺は、注文後に20~30秒ほど手揉みをすることでスープに絡みやすいちぢれ麺に仕上げています。
この特製麺はたっぷりのお湯で茹でた後、昆布を加えた熱々の釜揚げスタイルで提供されます。ちなみにつけ麺は釜揚げだけでなく、冷でのオーダーも可能です。
熱々でツヤツヤの釜揚げつけ麺は、すする際のトゥルンとした舌触りが魅惑的。ブルブルっと躍動感のあるコシで、ツルッとした喉越しの良さも光ります。麺は手揉みしてあることで、ちぢれた箇所にスープがよく絡む! 一口含んだだけで、焼き魚をそのまますすっているかのような魚の皮目の香ばしさや身の旨みが瞬時に広がります。
最後までくどさを一切感じずにするするっと食べ終えることができました。魚介のポタージュのような味わいなので、追加で白米をオーダーして、スープにインしても雑炊風にしても良さそうです。

つけ麺をオーダーすると、小ネギとほうれん草も別皿で提供されるので、お好みのタイミングでつけ汁に入れて麺を絡ませていただきましょう。スープの中には、刻んだ自家製チャーシューも入っているので、味を変えながら食べ進められます。
定食スタイルでいただく中華そばも!

『威風堂道』では、釜揚げつけ麺に加え、系列店でも提供されている定食スタイルの中華そばも同じく6種類のスープごとに用意されています。麺とスープの出来立てを味わってほしいということから、トッピングはすべて別皿。定食では海苔やチャーシュー、小ネギ、海苔の佃煮、小キュウリの漬物、白米がセットになっています。
つけ麺でありながら、釜揚げの熱々麺を汁につけていただく新感覚のつけ麺が味わえる『威風堂道』。6種類のスープ、それぞれ食べ比べたいところです。
(取材・文◎中森りほ)