
B級グルメに精通する現役タクシードライバー・荒川治さん。これまでの連載ではイチオシのお店をご案内してきましたが、今回は、外出自粛中にも楽しめるB級グルメをご紹介してもらいます。
この連載の初回で私が“死ぬまで食べたい”と言ってご紹介した東京・板橋の『中華ソバ伊吹』。店の前の大行列している光景が、もはや全国に知れ渡っている煮干しそばの超名店です。普段なら私も開店前から並ぶのですが、非常事態宣言が出てからというもの、さすがに長時間並ぶのは自粛しており、少々ご無沙汰なんです。

そんな折、4月某日、東京近郊のセブンイレブンや大手スーパーで『中華ソバ 伊吹』が監修した「サラダチキン用 濃厚煮干しスープ」(213円)という商品が販売をスタートしたとの情報を入手しました。皆さんはもう食べましたか?

パッケージには「サラダチキンを加えて、麺なしで楽しむ名店の味」と書かれており、作り方はいたって簡単です。スープを器にあけてサラダチキンをほぐし入れ、軽くラップをして3分電子レンジで温めるだけ。その通りに試してみたら、確かに『伊吹』の煮干しそばを再現した、かなりハイレベルな濃厚スープ。サラダチキンを入れただけで、ものすごく食欲が湧いてきました。

しかし、やっぱり『伊吹』のスープは麺で味わいたいという気持ちがムクムクと湧き上がってきます。そこで、これまでの美味しいラーメンの記憶をたどり、冷蔵庫やストック棚からゴソゴソと素材を探し出してきました。それが福岡の優秀即席麺「マルタイラーメン」とタマネギ、ニラ、合挽き肉、四川豆板醤です。そう、「担々麺」風にアレンジしようと閃いたのです。

調理も簡単。ひき肉をニラと炒めて豆板醤で薄めに味付けし、あとは、温めたスープに茹でた麺を入れ、水でさらしたタマネギのみじん切り、炒めたひき肉をのせるだけ。完成したのがこちらです。

お店で食べる『伊吹』の味にはもちろん及びませんが、家でこれだけの味が楽しめるのは、なかなかスゴいと思います。つけ麺風にしてもいいかもしれません。でも面倒な時は、ひき肉はなくてもOK。肝心なのは、マルタイラーメンを使うことと、タマネギのみじん切り。この2品さえあれば、かなり伊吹風の煮干しラーメンの味に近づけられます。
ほかにも、チャーハンの隠し味に使ったりと、色々アレンジできそうですので、ぜひ、伊吹監修のサラダチキンスープを買って、それぞれ色々な味わい方を楽しんでみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●プロフィール
荒川治
東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。