
スーパーでよく見かける試食販売。そんな試食販売には、実はカリスマ店員がいるんです。イオンのグループ会社(イオンデモンストレーションサービス)の大沼由美子さんもその1人。彼女が売り場に立つと商品が飛ぶように売れます。その極意は色々ありますが、一番は、大沼さんのわかりやすい商品説明と、お料理の悩みに答えてくれるところ。
そこで、今回は、お肉を販売中の大沼さんを実況中継。美味しいローストビーフの作り方を聞いてきました。

フライパンで焼き、耳たぶのかたさが目安
本日、大沼さんが試食販売しているのは、ローストビーフ。
お客さん:この、ローストビーフ、お肉の旨みがあって、味付けもさっぱりしていて美味しいわ!
大沼さん:このローストビーフは「タスマニアビーフ」の“ももかたまり肉”を使って作ったんですよ。「タスマニアビーフ」は、脂肪が少なくて旨味のある赤身が特徴の肉なんです。食感は弾力があって、特にもも肉は、ローストビーフを作るのにぴったりなんですよ。先ほど、ここで作ったばかりですよ。
お客さん:え? ここで? 家でローストビーフを作るのはハードルが高いと思ってたから…つい出来合いのローストビーフを買っちゃうんですよね。
大沼さん:30分ちょっとでできますし、お家で作った方が絶対美味しいですよ。
お客さん:それなら、作り方が知りたいです!
大沼さん:まず、お肉選びなんですが、繊維が横に綺麗に入っている、こんな風なタイプがいいんですよ。カットする時には縦に切るので、繊維が断ち切れて、口当たりがいいローストビーフになるんですよ。また、全面を焼くので、できるだけ四角く均一にカットされているものだと焼きやすいですね。もしそうでない場合は、包丁でカットしてもOK。余ったお肉は、野菜炒めなどで使うと無駄がありませんよ。

お客さん:オーブンで焼くんですよね?
大沼さん:いえいえ、フライパンで大丈夫です。材料はオリーブオイル、塩・胡椒だけ。お肉をフォークで刺して、塩・胡椒を塗りつけておきます。熱したフライパンにオリーブオイルを敷いて、肉の4面をそれぞれ1分~1分半ずつ焼いてください。火を消して、お肉をアルミホイルに包んで再び火を消したままのフライパンに載せ、蓋をして、上下15分ずつ余熱で火を通します。
お客さん:焼き具合の目安はどんな感じなんですか?
大沼さん:トングで触った時に耳たぶ程度の硬さであれば、十分です。お肉の中は柔らかくてジューシーに仕上がっていますよ。
お客さん:今、試食したののも、塩・胡椒だけ?
大沼さん:今回、ご試食いただいたのは、トップバリュの「醤油が香るブレンドスパイス」をお肉に擦りこみました。こちらは、日本人好みにブレンドしてあるので、とっても評判がいいんです。ローストビーフだけでなく、お肉料理全般に使えますし、ピラフやチャーハンなどにもぴったりですよ。

お客さん:お肉に詳しそうだから、ついでに教えてください。最近「ランプ肉が美味しい」ってよく聞くんですが、ステーキしか調理法が思い浮かばないんですが、家で作れるもので、他に何かありますかね?
大沼さん:ランプ肉は、牛のお尻あたりの赤身肉ですね。脂肪が少なくて、肉質がきめ細やかで柔らかく、とっても美味しいお肉です。シュラスコや鉄板焼きなどに使われるので、ステーキのイメージが強いんですが、別の食べ方としては、肉叩きで叩いて、少しお肉を広げて、パン粉つけてビーフカツにしてもさっぱりしていて美味しいんですよ。
お客さん:なるほど。このローストビーフ用のお肉でもビーフカツできますか?
大沼さん:もちろん。こちらのお肉でも赤身肉ですし、肉質がきめ細かいので、ビーフカツにしてもとっても美味しいと思いますよ。
(取材・文◎土原亜子)
●プロフィール
大沼由美子
イオンデモンストレーションサービスインク 南関東アシスタントエリアマネージャー。試食販売員歴8年。今では各地域の試食販売に指名されていくほどの売れっ子。自身が販売するほか、後輩の指導なども行っている。