
メキシコ料理ってどんなイメージでしょうか。タコス、ブリトー、そして唐辛子を使った真っ赤な調味料・タバスコ? コロナビール? そんな感じじゃないでしょか。どちらかというとカジュアルなイメージですよね。
そんなイメージを覆すレストランが、この夏にオープンしました。恵比寿と広尾の間の、瀟洒なスポットにお目見えしたのが、これまたおしゃれなモダンメキシカンのレストラン『KIYAS(キヤス)』です。ちなみに、同店で提供するのはシェフのおまかせコース6,500円のみ(21時以降はアラカルトでの注文も可)。これもメキシコ料理のイメージを覆します。

オーナーシェフを務めるのは、恵比寿のイタリアンやバルで活躍してきた、木屋太一さん。これまでの経験を生かし、自身の店をオープンするにあたって標榜したのがモダンメキシカンだったそう。

コースメニューは、日々の入荷に合わせて提供。契約畜農家から仕入れた牛・豚・鴨肉と、契約農家から仕入れた無農薬野菜などを使い、前菜、メイン、デザートまで6~8品ほどの料理がコースを構成します。

取材日は温かい「ズッキーニのポタージュ」からコース料理がスタート。ズッキーニのやさしい甘さに癒されます。「本日の魚のセビーチェ」は、北海道のサンマにメキシコのライムを合わせたもの。サンマを中南米を代表する魚介料理セビーチェに昇華するとは! 北海道とメキシコという予想外の組み合わせの妙にうっとり。

「山形のマッシュルームと本日の魚のアヒージョ」は、ツブガイと唐辛子がマッシュルームの旨みを引き立てます。「フォアグラのタコス ラズベリーのソース」は、カウンターで焼き上げたフォアグラに、甘いブルーベリーソースが見事にマッチ。聞けば木屋さんは、“焼き方”に特別なこだわりを持ち、自慢の「焼き窯」を使用しているのだそう。素材に併せて薪・藁・炭を使い分けているといいます。とくに炭は、日本一と言われる炭職人が手掛ける和歌山産を使用。期待が高まります。


「ホタテとアボカドのモーレ」は、レモンをきかせすっきりとした味わい。その後も、「牛肉とキャロットバターライスのブリート」「鶏ササミのタコス」とめくるめくコースは続きます。「ラクレットのケサディアと豆のモーレ」は、自家製のトルティアの上に、フランス産ラクレットチーズを目の前でたっぷりと。チーズ好き垂涎の逸品です。


「とうもろこしのモーレと黒米」は黄色と黒色のコントラストに魅せられ、食感の面白さに唸ること請け合いです。メインの「牛肉の炭焼き」は北海道肉のサーロインと赤身の希少部位シンシンの食べ比べ。炭火で焼いた香ばしさが残るお肉は、赤ワインはもちろん、日本酒に合わせるのもおすすめだそうです。メキシカンサルサソースや塩、胡椒とコンディメントが充実しているのもうれしいところです。デザートな「自家製プリン」にはテキーラの原料となるアガベのシロップを使用。最後まで、メキシコを感じさせるコース構成でした。
一皿一皿に驚きがあるコース料理は遊び心にあふれ、何より美味しい! 使用するお皿一枚にもこだわりが感じられ、今度はどんな料理が出てくるのだろうかと、わくわくします。

洗練された空間で、メキシコ料理の奥深さを実感できる新感覚のメキシコ料理店『KIYAS』。自然派ワインを中心としたドリンクとペアリングコース(ペアリングドリンク3,500円、ペアリングノンアルコールドリンク1,500円)も用意されています。気の置けない仲間との食事はもちろん、デートに利用してみるのも良さそうです。
●SHOP INFO
店名:KIYAS(キヤス)
住:東京都渋谷区恵比寿2-9-2AW 恵比寿1F
TEL:03-6432-5725
営:18:00~24:00
休:不定休
https://www.kiyas.jp/