ラーメン官僚が絶賛する、新幹線で食べに行きたい長野県のラーメン店4選

『中華そば三昧軒』(上田市)

中華そば
中華そば

締めを飾るのは、2024年11月8日にオープンした『中華そば三昧軒』。店舗のロケーションは、上田駅(JR東日本・しなの鉄道・上田電鉄別所線)から約500m。

同店は、長野県を中心に複数のラーメン店を展開する『凌駕グループ』の系列店。人気店『らあめんひばりや』を引き継ぐ形で営業を開始。営業時間中は、常に満員御礼状態をキープし続ける、東信の注目店だ。

提供するのは、「中華そば」と「つけそば」の2種類。特に「中華そば」は750円と、上田の地においても異例の低価格。そして、同メニュー(「中華そば」)は、長野が誇る天才ラーメン職人・赤羽氏が長年の研究の末に商品化に漕ぎ着けた“ちゃん系”インスパイアだ。

“ちゃん系”とは、現在、一都三県を席巻している、クラシックとモダンを絶妙に調和させたノスタルジック中華そば。赤羽氏は、その“ちゃん系”の味をベースに長野県民の嗜好に合うよう調整を重ね、『三昧軒』の「中華そば」を完成させた。まさに、スープ、麺からトッピングに至るまで、天才の創意が余白なく盛り込まれた最強の1杯だ。

賑やかな雰囲気の玄関
賑やかな雰囲気の玄関

「つけそば」の完成度も極めて高いが、イチ押しは、やはり「中華そば」。

口を付ける前から宙を舞うスープの香気が「燎原の風」のごとく鼻腔にそよぎ、否応なく食欲を掻き立てる。
レンゲを丼へと滑らせれば、豚骨の重厚なコクと滋味が、舌上でふわりと重なり合い、波紋の如く口内全体へと拡散。

このスープに合わせるストレート麺はモッチリと歯を押し返すような弾力を有し、すする度に食べ手に確かな手応えをもたらす。「チャーシューメン」を頼まずとも約10枚のチャーシューが搭載される点も、特筆に値する。

すすりを重ねるにつれて、右肩上がりに深まりゆく余韻。追加トッピングで購入した「スライス茹でたまご」を箸休めとして摘まみながら、海のように広がるスープの滋味に身を委ねている内に、気が付けば丼を空けてしまっていた。

空っぽの丼を前に、胸の奥から抗いがたき歓喜がこみ上げた。上田のラーメン食べ歩きにおいて、同店を積み残すのは痛恨の極みだろう。万難を排して狙いに行くべき必食の1杯だ。

●SHOP INFO
中華そば 三昧軒

住:長野県上田市大手1-10-5
営:10:00〜15:30、17:30〜21:00
休:無休

●著者プロフィール

田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。