【入善町】牡蠣小屋で味わう海洋深層水で浄化した「牡蠣」グルメ

富山県東部の入善町で、一年を通して楽しめるのが、深層水仕込みの美味しい「牡蠣」。天然の岩牡蠣は夏のみの味覚ですが、ここでは全国から取り寄せた牡蠣を、水深400m以上の海から汲み上げた入善海洋深層水で浄化。1時間に約20ℓの水を吸って吐く牡蠣の生態を利用し、48時間以上かけて丁寧に浄化することで、全国から届く選りすぐりの牡蠣を、さらに美味しく、安全に仕上げています。

この浄化された牡蠣は全国の飲食店にも出荷されていますが、浄化してすぐ味わえるのはここだけ。なぜなら、浄化センターのすぐ隣には牡蠣小屋『入善 牡蠣ノ星』があるから。

1日に300人のお客様が訪れることもあるという『入善 牡蠣ノ星』では、そんな安全性と美味しさが高まった海洋深層水仕込みの牡蠣を、テーブルで焼いたり、蒸したりして調理仕立ての絶品状態でいただけます。
生牡蠣や蒸し牡蠣、焼き牡蠣など、シンプルな調理法でいただくのがイチオシ! えぐみが少なく、食べやすい美味しさをダイレクトに感じられますよ。
【朝日町】漁師飯から発展した郷土料理「タラ汁」

朝日町の「タラ汁」は、富山を代表する郷土料理のひとつとして、地元の人々の間で親しまれています。この地に広がるヒスイ海岸周辺では昭和30〜40年頃、タラ漁が盛んに行われていました。早朝に漁へ出た漁師たちが昼頃に戻ると、農作業をしていた奥さんたちが、とれたてのタラをさばき、大鍋で「タラ汁」を振る舞ったといいます。
漁を手伝ってくれた人や家族、仲間たちが浜辺に集まり、一緒に頬張るタラ汁。
そんな温かな風景から生まれた味が、やがてヒスイ海岸名物となり、現在では国道8号線沿いにタラ汁を提供する食堂や民宿が立ち並ぶ「タラ汁街道」として知られるようになりました。
![ローカルな魅力に出会える老舗揃いの「タラ汁街道」 [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/12/20251226-toyama08.jpg)
タラ汁は、ぶつ切りにしたスケトウダラを丸ごと使った味噌仕立ての汁物料理。切り身だけでなく、身・肝・白子・胃・卵(真子)まで余すことなく使い、魚の旨みを存分に引き出した濃厚でコク深い味わいに、一度食べると魅了されるはず。
定期的にタラ汁を味わえるイベントも開催されており、年間を通して「タラ汁街道」で富山の海の幸を楽しむことができます。
【魚津市】富山随一のカニの漁獲量!魚津漁港の“紅ズワイガニ”

かに籠漁発祥の地として知られる、魚津市。
富山湾は、国内で唯一“湾の中”に「紅ズワイガニ」の漁場を持ち、水揚げ量は日本随一を誇ります。中でも魚津漁港は、富山県内でもトップクラスの紅ズワイガニの水揚げ量を誇る港。専門店だけでなく、地元のスーパーに並ぶこともあるほど身近な存在です。
「富山の味覚の女王」とも称される紅ズワイガニは、肉厚で身離れがよく、口に入れた瞬間に広がる甘みに驚きます。とろけるような甲羅味噌も格別!

そんな魚津の紅ズワイガニを存分に味わえるのが、魚津駅から徒歩約5分の場所にある『食 たむら』。市内の旅館で20年以上腕を磨いた店主・田村さんが4年前にオープンしたお店で、県内外から多くの人が訪れ、2か月先まで予約が埋まることもある人気店です。
看板料理のひとつが、鮮度抜群のものを茹で上げた紅ズワイガニ。
「味はもちろん、見た目の美しさも楽しんでほしい」と話す田村さんの言葉どおり、提供されるカニは思わず見惚れてしまうほど。
お造りと合わせた生のカニをはじめ、カニのクリーム煮、カニご飯など、紅ズワイガニ尽くしのお料理と茹でたカニ1杯がついたコース料理は1万800円から。この内容でこの価格は破格ですよ。
【滑川市】急速冷凍で一年を通して楽しめる「ホタルイカ」

「ホタルイカ」を味わうなら、ぜひ訪れたいのが滑川市。
ホタルイカは回遊性の一年魚で、春になると産卵のため富山湾へとやってきます。日中は水深200メートル以上の深海に生息し、夜になると海岸近くまで浮上するという独特の生態を持っています。
日本各地で漁獲されるホタルイカですが、その群れが沿岸近くまで押し寄せるのは富山湾ならではの現象。その中心地が滑川市周辺です。常願寺川河口右岸から魚津港にかけての約15キロ、満潮時の沖合1,260メートルに及ぶ海域は「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されており、富山湾のホタルイカ漁がいかに貴重で特別なものであるかを物語っています。

富山湾でのホタルイカ漁は毎年3月に解禁され、6月頃まで続きます。多くの地域では船で網を引く漁法が主流ですが、富山では岸近くに設置した定置網で漁獲するのが特徴。胴体を傷めにくく、鮮度の高い状態で水揚げされるため、身が崩れず、味わいも格別です。さらに、富山湾にやってくるホタルイカは産卵期のメスがほとんど。身が大きく、超濃厚な旨みが味わえるとあって、根強いファンを持ちます。
また、近年注目されているのが、最新の凍結技術を用いた急速冷凍です。細胞破壊やドリップを抑えることで、獲れたてに近い食感や風味を保ったまま冷凍することが可能になるとともに、寄生虫のリスクを軽減できるため、内臓まで含めて丸ごと美味しく味わえるようになりました。この技術により、一年を通してホタルイカ料理が楽しめるようになったのです。

海で光る幻想的な姿を見せるホタルイカの生態などを学べる「ほたるいかミュージアム」も、滑川市を訪れたならぜひ立ち寄りたいスポット。館内では、ホタルイカ加工品の定番メーカーとして知られる『カネツル砂子商店』の商品も購入でき、お土産選びにもぴったりです。
●SHOP INFO
ほたるいかミュージアム
住:富山県滑川市中川原410
営:9:00〜17:00※
休:火曜
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富山湾の恵みは、豊かな自然環境はもちろん、その土地に根づいた漁や食の知恵によって、より深い味わいへと昇華されています。海洋深層水が引き出す牡蠣のクリアな旨み、漁師たちの営みから生まれたタラ汁、鮮度が命の紅ズワイガニ、そして最先端の冷凍技術で一年中楽しめるホタルイカ。それぞれに富山ならではの背景と物語があり、ひと口ごとに土地の個性が感じられます。
旅先で味わうのはもちろん、食を通して富山を知る楽しみ方もまた格別。四季折々に表情を変える富山の海の幸を、ぜひじっくりと味わい、その奥深さに触れる富山旅を楽しんでみてください。
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(取材・文◎岩井なな)
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