【京寿司の老舗】死ぬまでに食べたい!市松模様が美しい『いづ重』の上箱寿司

食べるのがもったいないほど美しい「上箱寿司」

「上箱寿司」2376円
「上箱寿司」2376円

「上箱寿司」はお皿で提供されます。箱寿司というとフタを開けて食べる時の驚きもいいのですが、こういうスタイルも現地のお店ならではの特別感があっていいですね。

 いづ重の上箱寿司に使われている具材は、小鯛、海老、厚焼き玉子、穴子の4種類。見た目にも美しい市松模様の押し寿司で、一口一口楽しく味わえます。

関西の押し寿司の定番といえば小鯛
関西の押し寿司の定番といえば小鯛

 小鯛はしっとりした食感の鯛に木の芽の青い香りが隠し味となっていて上品。海老はプリプリで、自然な赤い色合いがお寿司を彩っています。

甘いけどスッキリと上品なのに懐かしい味わいの玉子焼き
甘いけどスッキリと上品なのに懐かしい味わいの玉子焼き

 厚焼き玉子はふっくらとした食感に、ほんのりと甘さがあり、どことなく懐かしい味。穴子は、口の入れるとホロッとほぐれるサックリした食感が楽しめます。

 ベースの酢飯は甘さ抑えめでコクのある味付け。酢飯の中には爽やかな香りを放つ木の芽がいいアクセントになっています。

「赤だし」440円
「赤だし」440円

 一緒に頼んだ赤だしもミツバが香り、お寿司とのバランスが絶妙。全体として料理の美味しさと香りのよさも楽しめました。

火を扱うので明らかにほかの場所と温度が違うおくどさん周辺
火を扱うので明らかにほかの場所と温度が違うおくどさん周辺

 ちなみに今回、特別に代表の北村さんにお店の裏まで案内してもらいながらお話を聞かせていただきました。お店のこだわりを伺うと、「昔からのことを守るだけ」と北村さん。「それはおくどさんと割り木の薪でお米を炊いたりするようなこと」と簡単そうに言っていましたが、それを守り続けるのは大変なことです。

美味しい物をいろんな人に食べてもらうのが、心から大好きという印象の北村さん
美味しい物をいろんな人に食べてもらうのが、心から大好きという印象の北村さん

 北村さんは終始ニコニコしながらこうもおっしゃいました。
「お寿司はもっと庶民のごちそうであって欲しい。職人が手を動かすのは当たり前。できれば原価以上の料金はもらいたくないんです」

 実はお寿司を食べた飲食スペースは応仁の乱の直後頃の、活気のあった室町時代の室内を再現しているそう。茶の湯などの雅が確立される前、食をもっと気楽で奔放に楽しんでいた頃の造りになっているそうです。

こちらはお土産の「上箱寿司」。お持ち帰りもおすすめです [食楽web]
こちらはお土産の「上箱寿司」。お持ち帰りもおすすめです [食楽web]

『いづ重』は京都でも指折りの老舗ですが、堅苦しさはなく、気軽に入れて価格も意外とリーズナブル。八坂神社の目の前にあるので、京都旅行でぜひ一度は立ち寄ってもらいたいお店です。

(撮影・文◎けいたろう)

●SHOP INFO

いづ重(いづじゅう)

住:京都府京都市東山区祇園町北側292-1
TEL:075-561-0019
営:10:30~17:00
休:水・木曜 ※祝日の場合は翌日
http://gion-izuju.com/

●著者プロフィール

けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。