岡山県の和菓子

さて、お次は岡山県の和菓子をご紹介していきましょう。岡山県がフルーツ王国だからなのか、洋菓子の方が豊富でしたが、和菓子もちゃんとありますよ。
鈴木屋「どらせん」

創業100余年の老舗『鈴木屋』は、岡山市にある老舗の煎餅屋さんです。小麦粉と卵、砂糖でシンプルに焼き上げる素朴な煎餅は、岡山の定番みやげの一つとして人気を博しています。
とりわけ、「どらせん」は、卵をたっぷり使用した小麦煎餅に、厳選された餡をサンドしたお菓子。どら焼きのような、しっとりとしたお煎餅です。

ちなみに、中のあんこは2種類から選べます。
1つめは「作州黒餡」。小麦煎餅に、岡山県特産の大粒黒豆「作州黒」を炊いてつくった黒豆あんをサンド。黒豆の風味が口に広がります。
2つめは「瀬戸の塩餡」。瀬戸内の海水から採れた粗塩を混ぜ込んだ塩入りこしあん(小豆)で、甘みとしょっぱさのバランスが良い一品です。
どちらもコーヒー、紅茶、緑茶などとも相性バツグン。他にも「北海小豆栗入り」や「柚子餡」などもありますのでぜひ味わってみてくださいね。
里山工房和菓子たむら「たむらのみかさ」

岡山県井原市にある『里山工房和菓子たむら』さんが手がけるお菓子が「たむらのみかさ」。岡山県産の小麦粉、地元産の新鮮な卵を使用した、どら焼きに似た和菓子です。
餡に使用する岡山県北部産小豆は、皮が柔らかく、風味豊かな高級品種「備中大納言小豆」。小豆の小気味良い歯応えや口どけは、さすが厳選されたあずきという印象です。

職人の手により生地を一枚ずつ手焼きで焼き上げているので、形が不揃いになっているそうですが、手作り感があってそれもまたいい感じ。食べ終わった後に「いいもの食べた!」という満足感が得られるお菓子です。
古見屋羊羹「高瀬舟羊羹」

江戸期の明和元年(1764年)創業の老舗『古見屋羊羹』がつくる「高瀬舟羊羹」は、山と海を結んだ高瀬舟をイメージした、岡山県落合で生まれた銘菓です。
厳選した北海道のえりも種の小豆を毎朝炊き上げ、小豆の味わいと食感にこだわった羊羹です。

買ってきてもすぐ食べてはいけません。3週間程で表面に薄くシャリ(表面糖化)がきたころが食べ頃。写真は実際に寝かしてみたものです。疲れている時に食べると、甘みが体に染み渡り、スーッと癒されますのでぜひお試しあれ。
つるの玉子本舗「白桃マスカット串きびだんご」

きび団子といえば、言わずと知れた岡山名物。そして、明治創業の老舗『つるの玉子本舗』(岡山市)も、桃太郎伝説をイメージした「白桃マスカット串きびだんご」を販売しています。

イラストレーター・大神慶子さんのデザインによるパッケージが可愛くて、思わず手にしてしまいました。

ふんわり柔らかいきび団子に、マスカットと桃のピュレを混ぜ合わせています。もちもちの食感と優しく広がるフルーツの香りが口に広がり、パッケージ同様、どこか可愛らしい味わい。普段のおやつにもいいですが、お弁当箱の片隅にデザートとして入れても可愛いですよ!
東京には、まだまだいろんな地方の美味しいものを販売しているアンテナショップがたくさんあります。今後も全国津々浦々、美味しい和菓子を探して紹介しますのでお楽しみに!
●SHOP INFO
とっとり・おかやま新橋館
住:東京都港区新橋1-11-7
TEL:03-6280-6474
営:10:00~21:00
休:年末年始
https://www.torioka.com/
●著者プロフィール
牡丹餅あんこ
フリーライター・編集。グルメ誌、旅行誌、女性誌、Webの取材、撮影、執筆、編集、イラストを担当。さまざまな土地のお土産やご当地グルメを歩いて探すのが好き。