鈴木亭「杢目羊羹」

慶応2年(1866年)創業の『鈴木亭』の逸品「杢目羊羹(もくめようかん)」。江戸幕府御用菓子司で、羊羹が有名だった『鈴木越後』で15年の修業を終えた初代が富山に帰り、立山の深山幽谷に林立する立山杉を表現することを思い立って創り出したのがこの羊羹です。

あずきといんげん豆で木目を表現した羊羹は、“年輪を刻む”という意味合いから、縁起のよい羊羹といわれ、お祝い事などにピッタリな和菓子です。
![まっすぐ切ると年輪が![食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/01/68350220a5935ce12bda7a9c1cf2bc01.jpg)
今回はミニサイズの羊羹が3本入ったものを購入しましたが、小ぶりながらちゃんと木目模様がわかります。

口にしてみると、キメの細かさやさっぱりした甘さがとても上品で、通常の羊羹よりも若干柔らかい印象。通常サイズの方がより美しい木目が楽しめるので、羊羹好きな人はそちらがオススメです。
月世界本舗「月世界」

富山を代表する銘菓「月世界」は、明治30年の創業以来、新鮮な鶏卵と和三盆、白双糖(しろざらとう)を煮詰めた糖蜜と合わせて乾燥させる技法で作られています。
「月世界」という名前の由来は、暁の空の淡い月影と天空に輝く美しい表情から付けられたそう。その美しさを閉じ込めたようなお菓子は、口に入れると、サクッとした歯ごたえのあとに、口の中でジュワッと解ける不思議なお菓子です。

鼻を近づけると、ほんのり料亭の卵焼きのような香りがします。口の中でジュワッと溶けたあと、スーッと消えるわけではなく、ぷくぷくした卵が中に残るのも面白いです。

ブラックコーヒーと味わうのがオススメの食べ方だそうですが、ミルクティーなどミルクを入れた温かい飲み物とも相性抜群です。
藤吉「水だんご」

「水だんご」は名水の里、富山県黒部市生地エリアで生まれた富山の伝統のおだんごです。水だんごの始まりは1959年。地元で有名な老舗菓子舗『河田屋』を営む河田夫妻が商品化したのが始まりです。
長年親しまれた河田屋ですが、残念ながら後継者不足により2012年に閉店。隣町の『藤吉』が製造販売を全て継承して、今も富山の伝統の味を守っています。

富山県産コシヒカリの米粉、北海道産片栗粉、美味しいお水だけを使用して作られています。食べ方は、おだんごについている打ち粉を流して水を切り、甘じょっぱい味の青きな粉をかけて味わいます。

ツルツルもちっとした食感と喉越しがよく、パクパク食べられちゃいます。現地に行かなければ味わえないお菓子が入荷するところがアンテナショップの良いところ! タイミングよく入荷していたらぜひ味わってみてください。
まとめ
東京には、まだまだいろんな地方の美味しいものを販売しているアンテナショップがたくさんあります。今後も全国津々浦々、美味しい和菓子を探して紹介しますのでお楽しみに!
●SHOP INFO
店名:日本橋とやま館
住:東京都中央区日本橋室町1-2-6 日本橋大栄ビル1F
TEL:03-3516-3020(ショップフロア・物販)
営:10:30~19:30(ショップフロア)
https://toyamakan.jp/
●著者プロフィール
牡丹餅あんこ
フリーライター・編集。グルメ誌、旅行誌、女性誌、Webの取材、撮影、執筆、編集、イラストを担当。さまざまな土地のお土産やご当地グルメを歩いて探すのが好き。