竹下夢二も愛した大正ロマンの老舗『かさぎ屋』の汁なしぜんざい

こちらは二寧坂に店を構える『かさぎ屋』。大正3年(1914年)創業の甘味処で、大正ロマンの画家で詩人の竹久夢二氏が足繁く通ったことでも知られています。店内は歴史を感じさせる落ち着いた佇まいで、まるでタイムスリップしたかのよう。ちょっと歩き疲れた時にホッと一息つくのにぴったりです。
名物は最高級の丹波産小豆をじっくり炊いた、汁なしぜんざい「亀山」。たっぷりの大粒のあんこと炭火で焼いたお餅がひとつ入っています。ホクホクとした優しい甘さの小豆と、香ばしくもっちりしたお餅が大変おいしい。ほっこり温かいお茶と共に、時が止まったような空間を楽しんで。

京都を代表する神社の一つ、学問の神様である菅原道真公を祀った北野天満宮の目の前にあるのが、『粟餅所 澤屋(あわもちどころ さわや)』。看板商品は1682(天和2)年の創業から受け継がれる「粟餅」です。
注文できるのは、こしあん3つときなこ2つの「白梅」、こしあん2つときなこ1つの「紅梅」という、北野天満宮にちなんだ梅の名前がついた2種類のみ。
大きな丸薬のように丸められたあん餅と、細長く伸ばされたきな粉餅が盛られた皿は、シンプルで美しい。粟餅は口溶けがよく、想像以上の柔らかさ。こしあんの仄かな甘さ、きなこの香ばしさが素朴な粟餅の味わいを引き上げています。
「みたらし団子」発祥の店は京都にあり! 下鴨神社門前の『加茂みたらし茶屋』

みたらし団子発祥のお店も京都にあります。そのお店があるのは世界遺産「下鴨神社」のすぐ近くで門前菓子として親しまれる『加茂みたらし茶屋 本家 亀屋粟義』。
みたらし団子といえば、一般的には3つの団子が1つの串に刺さっていますが、京都では5つ刺さっているタイプもよく見かけます。こちらでは4つと1つに分かれて刺さっていますが、これには理由があります。もともと「みたらし」という名前は、漢字で「御手洗」と書く下鴨神社内にある池の名前。この御手洗池に湧く水の気泡に見立ててお団子を作ったことに由来しています。

お団子の表面はカリッとしていて、中がギュッと密度高めに詰まった感じ。かかっているタレは、甘さの中に絶妙な香ばしさとコク、ほろ苦さがあり絶品です。