中通りで味わえる進化系「会津山塩ラーメン」とは?

これまで、「白河ラーメン」の『手打中華そば もり』(白河市)、「喜多方ラーメン」の『とりそば にこみ 和(わ)』、そして至極の「骨粉つけ麺」が味わえる『自家製麺まつお』をご紹介してきたが、今回は、郡山市の『らぁめんkitchenけんけん』をクローズアップしたい。
この店は、2018年3月に郡山市安積町にて開業し、2023年2月、現在地(同じく安積町内)へと移転オープンした。店の場所は、JR東北本線・安積永盛駅から徒歩8分程度。交通量が多い大通りには面していないものの、カフェのような店構えは離れた場所からでも目立つので、あらかじめ場所の見当を付けておけば、迷うことはないだろう。
『らぁめんkitchenけんけん』では現在、「醤油らぁめん」、「味噌らぁめん」、「しおらぁめん」、「辛い味噌らぁめん」などの麺メニューを提供している。中でも、不動の看板メニューはタレに会津の山塩を配した「しおらぁめん」。
会津の山塩を用いた「会津山塩ラーメン」は、主に会津地方を中心に提供されるご当地麺で、ここ最近、人気が急上昇している。そんな「会津山塩ラーメン」のエッセンスを独自のセンスでブラッシュアップさせたのが、こちらの「しおらぁめん」。会津地方から比較的距離がある「中通り」で、そんな1杯が味わえるのだ。
![「しおらぁめん」[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/11/20241119-kenken05.jpg)
特に初訪問時には必ず押さえておくべき「マストな1杯」であり、私も、ご多分に漏れず「しおらぁめん」を注文させていただいた。厨房に立つスタッフのオペレーションは非常に機動的かつスムーズ。注文してから3分足らずで、待望の1杯が供された。
質を異にする山塩の甘みと背脂の甘みとが舌上でクロスオーバーし、両者相まって快楽中枢のド真ん中を直撃するスープは、尋常ではないほど口当たりが良好。独特の食感が印象的な中太麺も、“このスープにしてこの麺あり”の逸品だ。夢中になって麺をすすり続けているうちに、いつの間にか丼が空っぽになっていた。
なお、郡山市は、同店以外にも数多くの有名実力店が軒を連ねる、福島屈指のラーメン激戦エリア。私もずいぶん食べ歩いてきたが、未だなお、訪問できていないキラリと光る優良店が複数存在する。この『けんけん』も、そんなお店のひとつだったと言えるだろう。
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●著者プロフィール
田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。