長崎県松浦市でとれたアジを使ったアジフライ定食に昇天!

メニューは「手仕込みアジフライ定食」(1500円)と数量限定の「胡麻鯵」(400円)のみという潔さ。もうこの時点で、強いこだわりを感じますよね。前述の通り、使っているのは、アジの水揚げ量日本一を誇る長崎県松浦市のアジ。松浦市から毎日直送されてくるものを店内で丁寧に下処理し、オーダーが入ってから揚げていきます。
まず運ばれてきたのは、「手仕込みアジフライ定食」。ご飯に味噌汁と卵黄醤油漬け、漬物とわさびおろしがお盆にのっており、メインのアジフライは別皿で登場します。アジの身4切れにカリカリに揚げられた中骨の部分が鎮座。もうビジュアルからしてすでに美味しそうで、胸が高鳴ります! というわけで、さっそく実食です。

もちろん、脇目も振らずにアジフライにかぶりつきます。サックリとした爽快な歯ごたえの後、肉厚でふっくらとしたアジの身に到達。アジの旨みと鮮度のよさが何者にも邪魔されずにダイレクトに迫ってきます。う~ん、ウマい! やはりアジフライは魚フライの王様だと改めて実感。中骨の周囲もうまく揚げられていて、パリッパリの香ばしいお煎餅のよう。さすが専門店だけあって、期待を裏切らない美味しさです。

アジフライの相棒とも言うべきタルタルソースにも、当然抜かりはありません。酸味ひかえめでほんのり甘さを感じるスッキリ系の味で、さっくりと揚がったアジに最高に合います。
ちなみに味変用の薬味はタルタルソース以外に、醤油や九州醤油、宮古島の雪塩、ウスターソースなど、トータル8種類が用意されており、アジの味のバリエーションを無限に楽しめる“アジ変”が可能。このあたりも専門店ならではの工夫が感じられますよね。

ご飯は五つ星お米マイスターが厳選した銘柄米を約30分に1回、羽釜で炊き上げたというもの。羽釜で炊いたというだけあって、ほどよい歯ごたえと粘りです。さすがに見事な炊き上がりですね。これだけでごちそう感があります。
ご飯に卵黄醤油漬けをかけて、いわゆる”TKG”にしてみるのもおすすめ。濃厚でとろみのある卵黄に、舌がメロメロになりそう。そこにパルメザンチーズをふりかければ、ちょっと高級なリゾットのようになります。

そしてもうひと品、数量限定の「胡麻鯵」は、アジフライ以上にアジの鮮度の良さがビンビンに伝わってくる逸品。ゴマと海苔、そしてワサビの風味が爽やかで、白いご飯にのせて勢いよくかっこみながら、「絶対また来よう」と心に誓ったのでした。
(取材・文◎松本壮平)