焦がしダレの香ばしさが絶妙! 「ぶた丼 2倍(ゴハン大盛り)」1079g

目の前にやってきたのは、何層にも豚肉が重なった山盛りの丼。早速計測です。直径18cmの器に高さ12cm、重さは1079g(器の重さを除く)。ついてきたお味噌汁237gを足すと1.3kg超えのボリュームです。
「料理はすべて国産豚を使用、ゴハンは粒ぞろいが良く、光沢のあるブランド米『いなわしろ天のつぶ』を使っています。タレは、『うまくて生姜ねぇ』と松本養蜂の有機蜂蜜をたっぷり使用した至極のタレで、国産ショウガをベースに4種類の醤油、かえし、国産有機ハチミツを店独自にブレンド。素材を活かしつつ旨みとコクをプラスしているんですよ」と話すのは店主の四井秀成さん。「うまくて生姜ねぇ」とは?
「店内でも販売しているこれです」。と出してくれたのは、カウンターの前に積んである瓶。「そのまま食べても、万能調味料としても幅広く美味しいもので、 国産生姜を特製醤油に漬け込んだものなんですよ」。いわゆるゴハンのお供、味つき生姜で、福島県で作られているもの。納豆入りやBBQ用、いぶりがっこ入りなど様々なシリーズが出ているそうです。

早速一口! コッテリしてそうに見えて、やはり生姜効果なのか、濃さより旨味が立っている感じです。これはゴハンが進む! 食べ始めてわかったのが、肉とゴハンの間に千切りキャベツ。そしてゴハンにもタレがかかっている。これは食べ始めたら無言で黙々と食べていくヤツ。箸からスプーンに切り替えたら、食べる速度がさらに早まっていきます。
口の中が豚とタレの旨みで満たされたところでお味噌汁を一口。そして会津高原大根の漬物も食べてリセット。再度丼に向かいます。そういえば、お米が「いなわしろ天のつぶ」、お漬物が会津高原大根。もしかして店主、福島出身?

「いえいえ、福島出身じゃないですよ。2011年の東日本大震災の時に炊き出しに行ったり、復興支援などをしているうちに、福島の美味しいものに出会って、それを出しているんですよ」。この店は震災から5年後にオープン。福島の美味しいものをもっと知ってもらいたい、という店主の想いも込められています。
ちなみに、カレーを2倍サイズで注文すると、ゴハンが福島の山々の形になって盛り付けられるとのこと。たとえ出身ではなくとも、福島愛を感じられます。

お店では、デカ盛りだけではなく、少食の人向けにハーフサイズも充実しています。「お年寄りの方だと食べきれないし、レディースセットだと頼みにくい。色々な人に食べてほしいと思って作ったのが最初ですね」。確かに、ちょっと小腹がすいた、って時にハーフサイズがあったらうれしいなぁ。
そういえば、店名のX(エックス)って? もしや豚肉が「トウキョウX」とか?「いえいえ、違います。豚肉は精肉店とやりとりして、その日のいいものを丸ごと仕入れて店内でカット。もちろん国産です。Xはタレが「Xダレ」だからなんです」。さっき言ってた、ハチミツや生姜入りのタレのことですね。豪商やXなど、店主と話しているうちに謎が色々解けていきます。

2倍盛りを頼む人は多い日で1日5~6人来ることも。ほぼ全員が完食をしていくそうです。「2倍盛りでタレや素材をいっぱい食べてもらいたいね。ゴハン大盛り無料なんだから。いっぱい食べて、美味しいね、って思ってもらいたいね~」。と店主。券売機は2倍盛りが最大ですが、店内には2倍盛り用の器を超える洗面器サイズの器もあるので、3倍盛り、4倍盛りを食べたい場合は、事前に電話で確認を。
「うちはいい素材のものばかりだから。たまにはいいものを食べて、自分の体のことを考えてほしいね」と店主。実はお味噌汁も4種の味噌をブレンドしていたり、タレに入っている蜂蜜は北海道産の有機ハチミツなど、素材の一つ一つにこだわりが。福島愛はもちろん、食材に対するリスペクトもしっかり感じられます。だからこそ、残さず完食する量で、ですね。

ボリュームがあっても生姜効果でしつこさなし。むしろすっきりとした美味しさの「ぶた丼」。ゴハンも粒だちがよく、タレや油などがかかっていてもべちゃっとしない。そして脇役のお味噌汁も漬物もいい! 1kg超えだけれど、気がついたら完食していた、という感覚です。これも生姜効果なのか。満腹感があるけれど、ドスッと重くない。おそらくですがデカ盛りビギナーさんにもおすすめのお店かもしれません。
暖かくなったら生姜のソフトクリームも販売予定。なので次回は「ソースカツ重」か「豚しゃぶ丼」にして、締めでソフトクリームにするか、福島の山々に思いを馳せつつカレー2倍盛りにするか。ハーフサイズを2~3種頼んで食べ比べするのも楽しそう。京王線で府中の近くに来た時は、また寄りたいと思います!
(取材・文◎いしざわりかこ)