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朝活、婚活、ソー活、妊活、終活……前代未聞の活動ブームの陰で、「から活(からあげ食べ歩き)」に余念がない、からあげのプロ=カラアゲニストたちがいることをご存知だろうか。これは、からあげの聖地・大分県中津市出身のライター松本壮平氏がお送りする、渾身のから活レポートである。
からあげの味は醤油と塩だけだけにあらず!
からあげの味といえば、しょうゆor塩。あとはおろしポン酢やタルタルソースで補うもの……と思っていましたが、最近、味にバリエーションを出そうとするお店が増えています。からあげグランプリ・しょうゆダレ部門で金賞を4回受賞している「とり多津」の六本木店もそのひとつ。テイクアウトがメインのとり多津も、店舗によってはイートインもやっています。
「からあげ酒場 とり多津・六本木店」は眠らない街の店舗らしく、夜遅くまで営業している立ち飲み店。ここではなんと、紅しょうが、あおさ、ハーブ塩味などのからあげを食べることができます。なかでも〈紅しょうがからあげ・1個150円〉はかなりの売れ筋とのこと。さっそく紅しょうがのほか〈あおさからあげ・1個150円〉と〈ハーブ塩味からあげ・1個130円〉を食べてみることに。
まずは紅しょうが。衣に紅しょうがそのものを混ぜ込んでいるようで、ちょっと赤味がかった色。からあげだと言われなければ、ミニかき揚げかと思ってしまうようなルックス。さて、どんなもんかと口に入れてみると、なかなかいける。かなりおいしく、違和感はまったくなし。からあげには味付けにしょうがを使うことが多く、そう考えるとこれは正解なのかも。のどから鼻に抜けていく紅しょうがの香りと風味がたまりません。
次にあおさ。さすがに海のものとは合わないだろう……と思いきや、普通の塩からあげよりも塩味が利いていて、夏場に汗をいっぱいかいたあとにでも食べたくなるような味。ハーブ塩味は言わずもがな。もともと鶏肉とハーブは相性抜群。
いずれも衣が厚めですが、その分それぞれの味をしっかりと楽しめます。ガッチリめの衣が崩れ、紅しょうが、あおさ、ハーブそれぞれの風味がジューシーな肉と一緒に口の中でまじり合う感覚。
オーダーすると、それぞれ2個ずつ出てきます。伝統的なからあげの味もいいのですが、たまには違った味わいもいいですね。
●SHOP INFO
店名:からあげ酒場 とり多津
住:東京都港区六本木7-15-17
TEL:03-6447-0032
営:11:30~21:00
休:水曜
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。