東京のラーメン激戦区・本郷三丁目で注目の2軒。『麺や 穂ころび』と『麺庵 利休』のラーメンがいま人気のワケ

これはラーメンなのか!? 変貌自在な限定メニューが楽しい『麺庵 利休』

 続いて紹介したい本郷のラーメン店が、昨年(2023年)10月にオープンした『麺庵 利休』です。

 本郷でも人気の『麺屋 ねむ瑠』のすぐそばにあるのですが、この『利休』も今や超人気店となっていおり、周囲にはこの2店に並ぶお客さんの行列が交錯しているほど。

 ご主人は横浜にある煮干しラーメンの名店『ノ貫(へちかん)』のご出身。同店も限定で変わりダネのラーメンを出すことで人気ですが、ここ『利休』も、デフォルトは煮干しの中華そばですが、限定で、味の想像がつかない独創的な一杯を味わうことができます。

本郷三丁目駅から徒歩3分ほどの場所にあります
本郷三丁目駅から徒歩3分ほどの場所にあります

 限定メニューには例えば、金目鯛、雲丹、牡蠣、虎河豚、のどぐろ、オマールビスク、エスカルゴ、生赤海老といった魚介系もあれば、「カシミールチリカレーつけそば」や「米沢牛のソルロンタンそば」、はたまた「鴨煮込みカレー南蛮そば」なんていう風変わりなラーメンが続々と登場するとの噂。

表に掲げられた『利休』のメニュー表
表に掲げられた『利休』のメニュー表

 筆者が訪れた日の限定は、「鮟肝(あんきも)そば」(1200円)と「牛タン赤ワイン煮込みまぜそば」(1700円)の2種類でした。あん肝も牛タンの赤ワイン煮込みも、味はわかるのですが、それがラーメンになった姿はあまり想像ができませんよね。今回は「鮟肝そば」を食べてみることに。

限定の「鮟肝そば」1200円
限定の「鮟肝そば」1200円

 画像を見ていただくとわかる通り、スープが見事なあん肝色です。そしてチャシューの上にはあん肝ペーストものっています。

 スープを一口飲んでみると、反射的に「アンキモ!」と声が出そうになるくらいの強烈なあん肝感! 濃厚かつまろやかなあん肝のコク。舌をすべるクリーミーな食感。さらに貝の風味と煮干しの旨味が追随。これらがスープに溶け込んでいるので、ひと口スープをすするだけで、複雑で多層的な旨味が一気に広がります。旨すぎる……!

あん肝の濃厚なコクと、貝と煮干しのお出汁の旨味が追随するスープ
あん肝の濃厚なコクと、貝と煮干しのお出汁の旨味が追随するスープ

 麺はストレートの細麺。噛むとパツンとした食感があり、風味豊か。濃厚なあん肝のスープと一緒にいただくと、もうとにかく「旨い」のひと言。とはいえ、食べ進んでいくと、思ったほど濃厚すぎず、魚介類のエキスが体の中に静かに浸透していくような、そんな心地よさがありました。

細めのストレート麺が、あん肝の上品なスープとよく合います。
細めのストレート麺が、あん肝の上品なスープとよく合います。

 この「鮟肝そば」、限定メニューなので、次はいつ食べられるかわかりません。至極のあん肝スープを一滴たりとも逃すものか、という勢いで完食しました。というわけで、『利休』の限定ラーメンは、儚くも楽しい、実に魅力的な一杯です。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO
店名:麺庵 利休

住:東京都文京区本郷4-3-2
営: 月火金11:00〜15:00、18:00〜20:30
   水土日11:00〜15:00
休:木曜
営業日や営業時間、定休日は変更の場合もあるので「X」で確認を