高田馬場で話題沸騰の『とんかつ ひなた』の食べ比べコースがスゴかった!

いざ、とんかつマニアも絶賛のとんかつ店へ

高田馬場で話題沸騰の『とんかつ ひなた』の食べ比べコースがスゴかった!

 年間200食のとんかつを食べ歩く「とんかつ王子」こと眞杉大介さんがプロデュースしていることでも知られる『とんかつ ひなた』。ちなみに眞杉さんは、2週間のうちとんかつを食べない日(休豚日と言うそうだ)が、たった2日しかないそうです。出張でパリを訪れた際は、フレンチには目もくれず、現地のとんかつ屋さんを探したという逸話まで。そんな究極のとんかつラヴァーは、どんなとんかつを食べさせてくれるのでしょうか?

高田馬場で話題沸騰の『とんかつ ひなた』の食べ比べコースがスゴかった!

 暖簾をくぐると、中央にカウンターがあり、シェフを囲うように席が設けられています。どの位置からも揚げ場が見え、パチパチという油の音が耳に響くので、否が応でも食欲に火が付いてしまいそうです。清潔感のある内装ゆえか、女性客の姿が多いのも印象的。ランチタイムは「ロースかつ定食」がお値打ちの1000円~提供されていることもあり、夕方には、すでに売り切れになっていることも多いそうです。

食べ比べコースでこだわり豚肉をほぼ丸ごと食べつくせる!

高田馬場で話題沸騰の『とんかつ ひなた』の食べ比べコースがスゴかった!

 お値打ちランチの素晴らしさもさることながら、同店が注目を集める所以は、斬新すぎる「とんかつ食べ比べコース」(3500円)にあります。定番のロース、ヒレに加え、脂身ラヴァーにはたまらない「リブロース」、他ではお目にかかれない「とんとろ」、「らんぷ」、「しきんぼ」の全6種類のとんかつを一切れずつ(約20~30g)、〆のチャーシュースープ(または豚汁)とミニソースかつ丼をいただけるという、まさにとんかつ三昧のコースです。

 豚肉はすべて仙台で育てられた「漢方豚」を使用。生産者とのやり取りで、ひなたのとんかつに合う豚を飼育してもらっているそう。意外にも豚は誕生から出荷まで、約半年間の時間しかないそうで、その間に、どんな餌を与え、過ごさせるかで、美味しい肉になるかどうかが決まります。ほんの少し飼料を変えるだけでも、味や脂のさし方が変わってくるというから、気が抜けません。『とんかつ ひなた』では、その手塩にかけて育てられた豚を一頭買いするため、珍しい部位のとんかつにもありつけるわけです。

早速、珍しい部位のとんかつを食べ比べ!

高田馬場で話題沸騰の『とんかつ ひなた』の食べ比べコースがスゴかった!

 一般的にとんかつは、衣が上の状態でサーブされますが、『とんかつ ひなた』のとんかつは断面が上。肉の味がダイレクトに舌に伝わるようにという配慮からです。レアでもなく、火を通し過ぎることもなく、少女の頬のような薄桃色で、ジューシーな脂と肉汁がしっとり浮き立っているのが特徴。一口目は、味をつけずにそのままいただくようオススメされました。そうして口にした漢方豚はくさみが一切なく、肉の華やかな香りが口中にふわっと広がります。後は、肉のとろけるような柔らかさ、脂の甘みをじっくりと堪能するのみ。いやあ、幸せです。

 二口目は、オリーブオイルを垂らし、少量の塩につけて。驚くのもほんの一瞬、オリーブオイルととんかつのマリアージュがこれほどまでにマッチするとは!! オイル×オイルなのに、くどさはゼロで、鼻を抜けるオリーブの香りが、とてもさわやかです。

 ちなみに、ヒレにはトリュフ塩が添えられます。「とんかつだって、ちょっとオシャレでもいいじゃないですか」とシェフの新垣さん。さすがフレンチ出身ということで、とんかつの食べ方一つにも、自由さが感じられます。

とんとろは、わさびと相性抜群。こっくりと甘い脂を、わさびの辛味が引き立てる
とんとろは、わさびと相性抜群。こっくりと甘い脂を、わさびの辛味が引き立てる
美しい豚肉をさばくのは、シェフの新垣さん
美しい豚肉をさばくのは、シェフの新垣さん

「とんかつは本当に奥深い料理です。たった数秒、揚げ時間が長いか短いかで、味も食感も変わってきてしまうんです。部位ごとに揚げ時間も、蒸らしの時間も違います。この店で、とんかつ界に新風を巻き起こすとは言わないまでも、スイッチを押して、業界全体を盛り上げていけたら」(新垣シェフ)

 とんかつには珍しい、らんぷ、とんとろ、しきんぼも、今までなぜとんかつにしなかったのかと思うほど、個性的で豚肉の奥深さを再認識させられる逸品でした。ぜひ、ご自身の舌で確かめてみてほしいです。