八角形の容器に入っているから「八角弁当」。その中身は?

「八角弁当」は箱の真ん中に「水了軒、八角弁当」と書かれているので、これを目印に購入してください。

フタをオープン! 「八角弁当」はいろいろな具材が入った、いわゆる幕の内的なお弁当。おかずの中心はあくまで煮物で、「お肉がドーン!」や「揚げ物がギュウギュウ」という雰囲気ではなく、肉っ気が一番あるおかずで鶏の照り焼き。その次が魚の味噌焼となっています。
お弁当の景色としては少し地味な感じですが、食べたことがある人なら写真を見ただけで「美味しそう!」となるはずです。
煮物が素晴らしく美味しい!

煮物が中心ですが、品数が豊富で何から食べるか結構迷います。まずはタケノコを一口。独特の繊維質を感じつつ柔らかく煮込まれて、おダシもよく染み込んでいます。
煮物のおダシはもちろん関西風。あくまで薄味ですが、ほのかに甘みがあって、野菜の持つ本来の美味しさがよく引き出されています。

煮物の中でもイチオシ具材はズバリ、高野豆腐! 「お弁当の一番のオススメが高野豆腐?」と言われそうですが、この高野豆腐こそが『八角弁当』の主役といって過言ではありません。
高野豆腐には限界までおダシが染み込み、口に入れると想像もできない量のおダシがジュワッとあふれます。大げさに言えば、おダシで溺れるかと思うくらい。
ほかにもエビや昆布巻き、里芋など、基本に忠実で美味しい煮物がいろいろ。煮物の定番である干しシイタケなどは「干物の食品がここまで?」という感じにプルップル食感で、食べるとビックリするはずですよ。

もちろん、他にも美味しいおかずがいっぱい。こちらは一番のヘビー級おかず、「鶏肉の照り焼き」です。香ばしく焼き上げたもも肉は、煮物中心のお弁当の中にあって、堂々たる王者の風格さえ漂っています。

ほかには詰まった身質で旨味たっぷりの「赤魚の味噌焼」や、おダシいっぱいの「だし巻き卵」などが配置されていて、ボリュームも十分に感じられます。
現代のお弁当といえば、濃いめの味付けや汁気を少なくするのがセオリー。それに対し、「八角弁当」は薄味でおダシたっぷりという対極の存在ですが、とても美味しいのです。
新大阪の駅弁選びで迷ったら『水了軒』のお弁当を

ちなみに『水了軒』には、他にも美味しいお弁当がいっぱい。こちらはプリップリ食感のアナゴがドーンと2本も入った「アナゴ飯」です。
途中で紹介した赤魚の味噌焼や鶏の照り焼きが主役に抜擢されている「大阪焼鳥弁当」や「赤魚西京焼弁当」なども販売されているので、あらゆる層に対応したラインナップとなっています。
「駅弁と言っても選択肢が多すぎて何を買えばいいか分からない」という人は、『水了軒』の文字を探せば、何を買ってもハズレなし! 新大阪の駅弁選びの参考にしてみてください。
(撮影・文◎けいたろう)
●著者プロフィール
けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。