「今川焼」とは似て非なる味と技に感動

仕事場に戻り、さっそく包みを開けます。お目見えした「太郎焼」は、一見すると今川焼のようですが、その厚みは一般的なそれとは明らかに異なり、手に持った時の重量感も全く違います。一口かじってみると……衝撃が走りました。
「これ、めちゃくちゃ美味しいぞ!」
味の決め手は、なんといっても「あんこ」です。小豆の風味を最大限に活かした味付けは、全くしつこさがなく、自然な甘みが口いっぱいに広がります。ずっしりとした重量感がありながら、ペロリと食べられてしまう贅沢な味わいです。
そして、このあんこを包み込む生地も秀逸。小麦の風味と優しい甘みを持ち、ふんわりとした食感です。それでいて、生地の限界ギリギリまであんこが詰まっている。この重さに耐えられるよう綿密に計算された生地の設計と、それを形にする繊細な焼きの技。老舗のプライドを感じる逸品です。
「あんバターパン」も絶品

続いては「あんバターパン」。こちらも「太郎焼」同様、持った瞬間にその重さに驚かされます。パンの中にこれでもかと詰め込まれたあんと、そこに加わるバターの背徳感あるコク。
あんこ自体に余計な甘さがないため、バターの塩気と合わさることで小豆の旨みがさらに引き立ちます。ボリューム満点ながら、気づけば完食してしまう魔力を持ったパンでした。

友人に渡した際も「これ、あんこが全然重くなくて本当に美味しいね!」と大絶賛。地元の人はもちろん、川口を訪れた際には必ず立ち寄ってほしい、まさに「老舗の味」でした。
(取材・文◎松田義人(deco))






