白いシチューはどこの国の料理?ハウス食品に聞いた“日本の定番メニュー”誕生の裏側

学校給食で人気を博した後、一般家庭へ

起源が曖昧な白いシチュー
起源が曖昧な白いシチュー

ハウス食品によると、同社のシチュー用ルウの原点は、今から60年前の1966年に発売された「シチューミクス」だそうです。

しかし実は発売以前から、すでに学校給食では「白シチュー」が存在しており、「あの味を家庭でも簡単に作れるようにしたい」と、ハウス食品がルウを商品化。当初は、日本の食卓に合うよう「ご飯と一緒に食べられる、おかずとしてのシチュー」を目指して開発されたとのこと。

シチューを学校給食から家庭の定番メニューへと昇華させたハウス食品の功績は偉大ですが、一方で「白いシチューのそもそものルーツ」については、ハウス食品担当者は「正確な情報がつかめない」と言います。

「シチューの発祥は16〜17世紀のフランスとされることが多いですが、“シチュー”と一口に言っても、世界各地に同名の煮込み料理やスープ料理があり、その定義や区別は非常に曖昧です。そのため、正確な起源を特定するのは難しいのが現状です」(ハウス食品 担当者・以下同)

戦後の昭和の学校給食にも白いシチューはあった。※画像はイメージです
戦後の昭和の学校給食にも白いシチューはあった。※画像はイメージです

なるほど、では日本に登場するのはいつ頃からなんでしょうか?

「日本では、明治の中ごろからレストランにシチューが登場し始めて、明治後期になると雑誌などにも西洋料理として紹介されるようになり、クリームシチューのような料理も、この頃には存在していたようです。そして戦後、昭和の学校給食で脱脂粉乳を使ったシチューが提供され始め、その後、『シチューミクス』をはじめとするルウ製品が普及したことで、家庭料理としてのシチューが日本の食卓に浸透していったと見られています」

はっきりした起源はわからないものの、明治期の洋食文化、戦後の学校給食、そしてルウ製品の登場……という流れの中で、徐々に日本独自の「白いシチュー」が形作られてきたことは確かなようです。

「シチューミクス」発売から60年。いずれにしても、白いシチューが日本の食卓にここまで浸透していることを考えると、ハウス食品が日本の食文化に与えた影響はかなり大きいことがわかります。

シチューに「スパイス」を加えると味わいが広がる

ハウス食品の複数あるシチュー商品のうち、ルウタイプは3種のブランドがあります
ハウス食品の複数あるシチュー商品のうち、ルウタイプは3種のブランドがあります

現在、ハウス食品のシチュー商品のうち、ルウタイプは主に3ブランドあります。

ブイヨン感のあるうまみが特徴の顆粒タイプのシチューの素「シチューミクス」、北海道産の原料にこだわり、上質な美味しさを目指す「北海道シチュー」、濃厚チーズと炒め玉ねぎの旨みとコクを高めた「コクの贅沢シチュー」です。

このうち、今年で発売60周年を迎えるのが「シチューミクス」
このうち、今年で発売60周年を迎えるのが「シチューミクス」

これらのシチューに、スパイスを加えることで、味の幅をさらに広げることもできるといいます。

「シチューにスパイスを使うと、ちょっとしたひと手間アレンジができます。身近なものではローリエやオレガノ、ブラックペッパーやホワイトペッパーで風味や香りを立たせる、といった具合です。

たとえばパプリカを加えればハンガリー風、クミンなら中近東風、チリパウダーならメキシコ風と、スパイス次第で“世界のシチュー”に近い味わいを楽しめます。

なお、スパイスにはホールとパウダーがありますが、ホールは調理の最初から、香りが飛びやすいパウダーは最後に加えるのが基本です」(ハウス食品・担当者)

シチューは野菜と栄養を摂ることができる「しあわせ栄養食」

ハウス食品・担当者の話を聞いているだけで、また「あの味」が恋しくなってきました。最後にハウス食品・担当者から、一般消費者の方へのメッセージをもらいました。

「ハウス食品のシチューは、美味しさや安心感に加えて、心も体もあたたまるメニューです。また多くの野菜に合う煮込み料理なので、栄養をしっかり摂ることができる料理でもあります。『しあわせ栄養食』として、今後も様々なシーンでシチューを召し上がっていただけたら幸いです」(ハウス食品担当者)

「しあわせ栄養食」とはまさにその通り。この冬本番の時期も、シチューで身も心もポカポカ温まりたいですね。

(取材・文◎松田義人(deco))