出汁を楽しみ尽くす。京都離宮の「だしまき御膳と釜たきごはん」

注文するとまず、最初にお米の入ったお釜が運ばれてきて目の前で点火されます。次に提供されるのが、4つのショットグラス。こちら、中身は飲み比べ用のお出汁で、鯖とうるめいわしを使った「離宮のおだし」、「かつだし」、「あごだし」、「京さわらだし」の4種類になっています。
「離宮のおだし」は優しいバランス型、「かつおだし」はややストロング、「あごだし」は洗練された端正なタイプ、「京さわらだし」は上品ながら魚の風味も強く感じられます。
4つのお出汁を実際に飲み比べてみると、印象がかなり違っていて面白い。個人的にはスッキリしたものより、味わいが濃いものが好きなので、「京さわらだし」が一番印象に残りました。

すると、スタッフの方が「さきほど飲んで選んだお気に入りの出汁を使って出汁巻き玉子を焼きます」とのこと。先ほどの一番気に入った「京さわらだし」に好みの薬味を選び、お料理を待ちます(4種類から3種類を選べます)。この体験と演出、京都の旅行のランチにぴったりですよね。
好みの出汁で楽しむ「だしまき」は感動もの

出汁の飲み比べの後にやってきたのが、こちらのお料理。「だしまき」以外にも、季節の料理がいろいろ付き、見た目にも華やか。京都らしいランチ御膳に心が躍ります。

「だしまき」を一口味わうと、焼き立てなのでフワッと軽やか。出汁に選んだ「京さわらだし」のさわらの香りと味わいが広がり、美味しさを引き立てます。

京都でもお馴染みの「だしまき」。上品さだけではなく、味の奥行きを感じさせる一皿は感動ものでした。
色とりどりの前菜もゆっくりと味わっていきましょう。今回訪れたのが10月中旬だったこともあって秋仕様の内容となっています。

焼き小茄子など、出汁を効かせた野菜のおかずが並ぶ中、色取りとサッパリ感を詰め込んだぬたロール、さんまの煮物など、ごはんがすすむ前菜がラインナップされています。

ごはんが炊きあがったら、出汁巻きと一緒に味わいます。薬味とともに味わうと、ごはんとの相性も旨味もグッとアップ。〆にはだし茶漬けを楽しむため、ごはんと出汁巻き玉子を少し残しておきましょう。

ごはんにだしまきをのせ、熱々の出汁をたっぷりかけます。最後に、出汁の旨味を余すことなく味わえば満足この上なし。
前菜のさつまいもの素揚げや焼き栗などを最後に食べれば、ホッコリした気分で締めくくれます。
出汁のおみやげも

最後にお出汁の展示を見てまわりました。出汁の種類や歴史などが学べ、実際に出汁の原料を手に取って香りを体験できる展示コーナーなどもあります。
![「離宮の飲むおだし」745円 [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/11/20251123-kyotorikyu12.jpg)
また、出汁のおみやげなども販売しています。中でも印象的だった商品が、コーヒーのドリップバッグのように出汁を気軽に楽しめる「離宮の飲むおだし」。お茶のように味わえば、すっと体に染み入る美味しさを家でも体験できます。
おだしのテーマパーク『京都離宮』。京料理を支える出汁文化を味わいながら、旬を味わう素敵なお店です。京都旅行の際はぜひ、立ち寄ってみてください。
(撮影・文◎けいたろう)
●SHOP INFO
京都離宮 おだしとだしまき
住:京都府京都市伏見区中島鳥羽離宮町45
TEL:050-5589-6151
営:10:00~17:00(L.O. 16:00)
休:火曜
https://kyotorikyu.com
●著者プロフィール
けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。








