
ロールキャベツが日本に伝わったのは、明治時代のこと。ドイツやロシアから渡ってきた料理が原型と言われています。
日本人の口に合わせて進化を果たし、トマトソースやクリームソース、コンソメスープをベースにした彩な味わいを生み出しました。今も昔も洋食メニューの中では、特別感があり、ごちそうとして定着しています。
そんなロールキャベツを含め、洋食文化が色濃く息づくのが、新宿です。戦後の喫茶店文化とともに発展した新宿では老舗も多く、昔ながらの洋食を食べたい時に足が向くエリアの一つです。

今回は、1964年創業の和食レストラン『珈穂音(かぽね)』へ。新宿の老舗として長く愛され続け、人気番組『マツコの知らない世界』にて、ロールキャベツが紹介されるほど。

提供されるロールキャベツは、やさしく澄んだコンソメスープ仕立て。キャベツで包まれた肉だねは、一本一本がかんぴょうで丁寧に束ねられています。

輪切りにして提供されるため箸でも食べやすく、キャベツはトロっと甘く、挽肉のジューシーな旨味が口の中いっぱいに広がります。コンソメベースのスープにケチャップが徐々に溶けていき、深みを増しながら、最後の一滴まで楽しめます。

なんと温かな味わいなのでしょう。ここが自分の家だったら、間違いなくこのスープの中にライスを入れて食べたであろうほどに、旨味たっぷりです。

胃袋と心も包み込まれたような、じんわりと幸せな気持ちにさせてくれる、そんな一皿。ぜひ味わいに訪れてみて。
(撮影・文◎亀井亜衣子)
●SHOP INFO
珈穂音
住:東京都新宿区新宿3-22-12 新宿サンパーク本館5F
営:11:30〜21:30(L.O.21:00)
休:月曜
https://www.capone.jp/