『タテルヨシノ 三國湊』でのディナーは格別の体験

ひと息ついたあと、日が暮れた三国湊の町へ。目的地は徒歩で数分の場所にある『タテルヨシノ 三國湊』。
世界的シェフ・吉野建氏の名を冠するこのレストランは、三国湊の新しいランドマークとも呼べる存在。外観からして凛とした佇まいで、足を踏み入れる前から背筋が伸びると同時に、これから始まるディナーに胸が高鳴ります。

最初の一皿は「冷製ボルシチ」。ビーツの鮮やかな赤が視覚を奪い、ひと口で心が虜に。続いて香ばしい「カツオの炙り」。添えられたキウイやカリフラワーと葉山椒のソースが驚くほど調和しています。一気に『タテルヨシノ 三國湊』の世界に引き込まれました。

そして店のスペシャリテ「ガスパチョ」はシンプルながら奥行きのある味わい。永遠に飲んでいたくなります。さらに「鮑のパイ包み」や、ブイヤベースソースでいただく「ぐじ松笠焼き」と至極の料理が続きます。
![鮑のパイ包み ホタテムース・チョリソー・ワカメ 肝のヴァンブランソース[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/09/20250930-homachi12.jpg)
聞けば、食材は三国湊をはじめ近隣エリアのものにこだわっているそうで、それらが違和感なくフレンチの一皿に昇華されています。食事をしながら、まるで三国湊の文化をいただいているような気がしてきます。

メインを飾るのは「若狭牛の塩釜焼き」。一口ごとにじわりじわりと肉の旨みが押し出されてくる絶品です。

なお、料理に使われるハーブ類の一部は、この店の中庭で栽培されているものだそう。
料理に合わせて供されるペアリングのワインもまた完璧。最初から最後まで、一貫して驚きとワクワクが止まらないディナーでした。
食後は静かな夜の三国湊の町を歩いて宿に戻ります。今しがた堪能したばかりの料理の余韻と、窓の外に広がる港町の雰囲気に包まれながら、心地よく眠りについたのでした。