
9月1日は「防災の日」。そして9月は“防災月間”として、全国でさまざまな備えを見直すきっかけとなる時期です。災害と聞くと地震を思い浮かべがちですが、大雨や台風、火災、停電など、いつ起こるかわからない“もしも”はたくさん。だからこそ、ちょっとした知識や準備が、いざという時の心強い味方になります。
今回は「食」の視点から、防災を考えてみませんか?
非常食のアイデアや、日常の中でできる“ローリングストック”の工夫など、食卓を通してできる防災のヒントをご紹介します。
『石井食品』の防災士に聞く、ローリングストックの基本
まずは、防災士の資格を持つ『石井食品』の佐々木さんに、常温商品の備蓄と消費の目安についてお話を伺いました。
——ローリングストックをする際、一人当たりどのくらいの量を目安にするとよいでしょうか?
「備蓄する食料や水の量は、一般的に1人あたり最低3日分、可能であれば1週間分が目安とされています。これは災害発生後、ライフライン(電気・ガス・水道)や物流が復旧するまでに3日〜1週間程度かかる場合があるためです」
——食べきる→再購入まで、どのくらいのサイクルが理想的ですか?

「備蓄している食品の賞味期限によって変わってきますが、一般的には数週間から1ヶ月程度のサイクルが理想的とされています」
「(ローリングストックする常温商品は)いわゆる非常食とは異なり、無理なく備えて自然に消費していけるという点で、日常に取り入れやすい常備なのではないかと思います。現状の日本は1年の半数以上が夏期のような気温になっていますので、保存する食材は“常温で長持ち”という特徴を持つ商品が、今後ますます需要を集めそうです」
ということで、日常生活の中で活用しながら非常時の備えとして活躍する常温保存のきく商品は、ローリングストックをするにはうってつけ。さらに、非常時に初めて口にする食品よりも、食べなれた商品の方が精神的な安心感にもつながると感じました。
そこで、ライフラインが最低限になった場合でも調理可能な常温商品を使ったレシピを2品、教えていただきました。