50年変わらない手作りの味。ラーメンと手作りギョーザ

「昔の大阪万博の翌年にお店ができて今年で54年目。ずっと作り方は変えてないからね」と話すのは、創業当初から厨房に立ち続けている店主。古いビルの一角で、ラーメンとギョーザの味を守り続けてきました。
訪れたのは金曜日の18時すぎ。まだ夜はこれからという時間帯にもかかわらず、30分もしないうちに店内は8割ほどが埋まりました。客層は近隣のサラリーマンが中心。1週間頑張った開放感からか、リラックスした表情を浮かべています。

「飲んだあとに寄ってくれるお客さんが多いですわ。親子三代で来てくれる人もいてね」
嬉しそうに語る店主の様子から、この場所がどれだけ長く、そして広く愛されてきたかが伝わってきます。吉本興業の芸人さんや、女性ひとりでふらっと立ち寄る人も多いそう。世代も立場も超えて誰もがこの店でホッと一息ついていく、そんな懐の深さがあります。
飲んだあとでもぺろり。シンプルで奥深い「ラーメン」

注文したのは、鶏がらで丁寧に出汁を取った昔ながらの「ラーメン」。器の底が見えるほど透き通ったスープを飲むと、鶏の旨味がじんわり広がり「あ、うま……」と思わず声が漏れました。あっさりしていながら物足りなさはまったくなく、どこか懐かしい味。
![一滴残さず飲み干したくなる上品な味。麺は喉越しのいいストレート麺 [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/08/20250830-syodoten06.jpg)
本文 つるつるとした喉ごしのストレート麺は、もちっとした食感でスープと良く絡みます。トッピングはチャーシュー、もやし、刻みねぎと極めてシンプル。ごまかしの利かない一杯だからこそ、店主のこだわりが一口ごとに伝わってきました。
皮から手作りした唯一無二のひと口ギョーザ

もうひとつの名物が、小ぶりなサイズの「ギョーザ」。テーブルに届いた瞬間、香ばしい香りがふわっと立ちのぼります。皮から手作りしているらしくパリパリ、もっちりした食感がたまりません。中の餡はキャベツと白菜がメインでニンニクは控えめ。一個、また一個と箸が止まらなくなる、素朴な美味しさです。

なんとも中毒性があり、1人でギョーザ5人前(40個)をぺろりと平らげてしまう人もいるそうです。実際、隣の席のサラリーマンたちは6人前とビールを注文して、仕事終わりの一杯を楽しんでいました。手作りならではの優しい味わいが、疲れた体をそっと癒してくれるのでしょう。
大阪の夜に沁みる一杯

雑居ビルの奥にある隠れ家的ラーメン店『小洞天』。「いらっしゃい」「はい、お待ちどうさん」という店主の声に、ズルズルと麺を啜る音、お客さんの笑い声が交じり合う、そんな雰囲気に心が温まりました。大阪の夜の〆にふらりと訪れてみてはいかがでしょうか。
(撮影・文◎安達春香)
●SHOP INFO
小洞天
住:大阪府大阪市中央区千日前1-6-10 千寿ビル 1F
TEL:06-6213-1623
営:18:00〜00:00
休:日曜・祝日