肉々しさ満点の餃子は残業の味方

――『麻布ラーメン』といえば、1964年に麻布十番で屋台として創業したお店ですよね。今は南麻布や西麻布などにもお店がありますが、麻布十番店を選んだ理由は?
「他の麻布ラーメンには行ったことがないんです。最近、たまたま入店して餃子を食べたらめちゃくちゃ美味しかったので推薦させてもらいました」
――麻布十番には昔ながらの商店街があり、他にラーメン屋さんもいくつかありますが、なぜこのお店に入ろうと思ったんですか?
「たまたまです(笑)。会社と家の間にこの店があるんですよ。ある日、残業終わりの帰宅中に入ってみたんです。空腹すぎてラーメンだけじゃ足りなさそうだったので、とりあえずビールと餃子を注文したんですが、焼きたての餃子がものすごく美味しくて。以来、ここのビールと餃子が日々の楽しみに。朝5時までやっているので、残業で遅くなっても寄れるのも便利です」

――社会人になって、“ラーメン屋のビール&餃子”デビューしたわけですね。
「まさにそうです! 学生時代は一人飲みしたことなかったし、初めてです。でも一人で餃子&ビール、いいですよね。美味しさもさることながら、解放感があるっていうか。ラーメン屋の餃子&ビールは、精神的な疲労回復に効果的です(笑)」

――調べてみると、『麻布ラーメン』の餃子は1皿6個入りで700円。新入社員にとっては、ややお高めじゃないですか?
「確かに高めですが、1個が大きいのでコスパは悪くないと思います。ラーメンを食べる場合は、〈半餃子〉(3個350円)にすることもあります」
――どんな餃子ですか?
「油多めで“揚げ焼き”のように仕上げてあるタイプです。中の餡は、肉と野菜の比率的には、肉がかなり多め。かじると肉汁があふれます。皮はカリッとしている部分と、皮のモチモチした部分が味わえて最高です」
――ビールに合いそうですね。食べ方のこだわりとかありますか?
「最近は酢とラー油だけで食べてます。それと、この麻布ラーメンには、ピリッと辛いもやしのナムルが置いてあって、食べ放題なんですよ。餃子以外に、このもやしナムルもビールのつまみにできるのも良いんですよね」

――元々はラーメン好きなんですよね。ここのラーメンはどうですか?
「〈とんこつ醤油ラーメン〉(1000円)が看板メニューですが、他にも〈あっさり屋台ラーメン〉や〈とんこつ四川担々麺〉、塩、味噌、ニラそば、タンメン、つけ麺、さらにチャーハンや定食まであって、とにかくメニュー豊富です」
――町中華みたいですね。オススメはどれですか?
「なんだかんだ言って、やっぱり看板の〈とんこつ醤油ラーメン〉が美味しいと思います。スープは、家系ラーメンのような豚骨醤油で、そこに背脂が多めに入ってて、濃いめです。麺は中太で、濃厚なスープに負けない小麦の風味があるタイプ。さらに僕が好きなのは2枚入ったチャーシューです。大きくて口の中でとろけますよ」
まとめ
![「とんこつ醤油ラーメン」1000円[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/06/20250621-azabu06.jpg)
というわけで後日、社会人1年生の加賀さんの癒しの場所『麻生ラーメン』に筆者も行ってきました。
麻布・六本木周辺は、確かに高速道路や巨大なテナントビル、タワーマンションが立ち並び、ザ・都会ではありますが、この『麻生ラーメン』は、とても気軽な雰囲気。店に一歩入れば、外の喧騒を忘れて、ビールと餃子で1日の疲れを癒せる……とても良きお店でした。
(撮影・文◎土原亜子)