東京・銀座の山形県アンテナショップで見つけた山形のおいしい和菓子【東京で地方スイーツめぐり】

人気No.1。だだちゃ豆の餡がおいしい「じんだん大福」

じんだん本舗 大江「じんだん大福」(1個 130円)
じんだん本舗 大江「じんだん大福」(1個 130円)

 同店の売上No. 1の商品が、枝豆・大豆を使った和菓子が人気の『じんだん本舗 大江』の「じんだん大福」です。

 山形県産のブランド餅米「ヒメモチ」を使用した、柔らかくてコシのあるお餅の中に、だだちゃ豆の餡がたっぷり詰まった大福。ちなみに、“じんだん”とは、山形県の方言で、枝豆をすりつぶして作る餡を指します。

 だだちゃ豆の粒々した食感と、豆の豊かな風味がたまりません。お餅とともにとろけて飲めそうなほど柔らか。小さな大福なので10個くらい余裕でペロリ。

3つの餡が楽しめる「芭蕉最中」

松風屋「芭蕉最中」(378円)
松風屋「芭蕉最中」(378円)

 大正10年に創業した約100年の歴史を持つ和菓子屋『松風屋』の「芭蕉最中」は、大納言小豆、胡麻、金時豆の3色の餡がたっぷり詰め込まれた最中。持つとずっしりと重く、食べ応えも抜群です。

“芭・蕉・奥の細道”と3つに区切られています。“の”が小さいのがポイント
“芭・蕉・奥の細道”と3つに区切られています。“の”が小さいのがポイント

『松風屋』の初代社長が愛したという松尾芭蕉にちなんだお菓子で、第25回全国菓子大博覧会では、寛仁親王殿下の名誉総裁賞も受賞した一品です。

きれいに3つに割れるので、分けて食べても楽しい
きれいに3つに割れるので、分けて食べても楽しい

 皮が3つに割れるようにできているので、バラバラに分けて楽しむのも◎。少し渋めのお茶と一緒に味わうと、豆の風味や最中の香ばしさが引き立ちます。

納豆好き注目の和菓子「なっともづ」

明友「なっともづ」(810円)
明友「なっともづ」(810円)

 饅頭や大福と一緒に並んでいた「なっともづ」。何のことかピンと来づらいネーミングですが、山形弁でいう「なっともづ=納豆餅」のこと。

 筆者の祖母が山形県出身で、牡丹餅のことを「ぼたもづ」とよく言っていたことを思い出し、懐かしく思って手に取りました。

……あれ? でも、ひょっとしたら和菓子じゃないかも? 気になって箱の裏を見てみると“和生菓子”と記載されていたので、購入してみることに。

箱を開けても納豆の匂いはしません
箱を開けても納豆の匂いはしません

 納豆を使用している和菓子は食べたことがないので、どんな味なのか心配でちょっぴりドキドキ。こわごわ食べてみることに。
 
 柔らかくてモチモチしたお餅の中に、なめらかに練り上げられた南蛮納豆の餡が入っていました。納豆の味わいとピリッとした唐辛子がアクセントになって、後を引く美味しさ。

南蛮納豆の餡は甘さ控えめでピリッと辛い
南蛮納豆の餡は甘さ控えめでピリッと辛い

 原材料の中に、蜂蜜や砂糖を使用していますが、ほんのりお餅に甘味があるだけで、餡は甘くありません。焼酎や日本酒のお供に、だし汁に浮かべてお雑煮のようにして食べるのも面白いと思います。

江戸時代から続く玩具が入った伝統菓子「からから煎餅」

宇佐美煎餅店の「からから煎餅」(6個入り 1490円)
宇佐美煎餅店の「からから煎餅」(6個入り 1490円)

 山形県庄内地方の名物「からからせんべい」は江戸時代から続く伝統菓子。三角形のお煎餅の中には、民芸品の玩具が入っています。フォーチュンクッキー的なお菓子で、子どもも大人もワクワク。

手裏剣みたいな見た目もユニーク
手裏剣みたいな見た目もユニーク

 黒糖をたっぷり使用した甘いお煎餅を真ん中からパカン!……と割れるかと思いきや、気持ちがいいくらいバラバラに(笑)

テーブルの上に紙やお皿などを敷いて、落ち着いて割ることをお勧めします
テーブルの上に紙やお皿などを敷いて、落ち着いて割ることをお勧めします

 バラバラになったお煎餅の中から白い包みが出てきました。中身は「つまみ細工」が2つ入っていました!

中から出てきたのは「つまみ細工」
中から出てきたのは「つまみ細工」

 中身に気をとられましたが、与那国島の黒糖をたっぷり使用したお煎餅は、軽い歯応えと上品な甘味が口いっぱいに広がります。お煎餅単体としても非常に上質です。

玩具や民芸品の種類は150種類以上
玩具や民芸品の種類は150種類以上

 玩具や民芸品の種類は150種類以上あるそう。何が出てくるかは開けてからのお楽しみです。海外でお世話になる人への手土産にすると、喜ばれること間違いなしですね

水族館のオリジナル「からからせんべい」も

右がクラゲドリーム館オリジナル からからせんべい (5個入り720円)
右がクラゲドリーム館オリジナル からからせんべい (5個入り720円)

 ちなみに、クラゲ展示数世界一になった山形の「鶴岡市立加茂水族館」のオリジナルのからから煎餅も売っています。中身は海の仲間のおもちゃやシール入り。

正しい名前は「コティロリーザ・ツベルクラータ」
正しい名前は「コティロリーザ・ツベルクラータ」

 包みを開けてみると、シールとおもちゃが入っていました! シールには“コティロリーザルベルクラータ”という珍しい名前のクラゲが!! どんなクラゲなのか興味を持つきっかけにもなるので、子どもと学びながら食べるのに最適。

玩具はくじら
玩具はくじら

 一緒に出てきたクジラのおもちゃは、キラキラしてて一瞬可愛いと思ったのですが、よくみるとエイリアンみたいな顔をしていて怖い……(笑)。そんなゆるいおもちゃが入ってるところも面白いですね。

バラ売りの和菓子も名品ぞろい

上:くるみ饅頭、左:ふるさと最上川のみそパン、右:あげまん
上:くるみ饅頭、左:ふるさと最上川のみそパン、右:あげまん

『おいしい山形プラザ』には、山形県内の和菓子屋が製造するばら売りの和菓子もたくさんあります。今回は、その中から3つご紹介します。

・ぱんどら「ふるさと最上川のみそパン」(160円)
 ご当地のみそに三温糖くるみを入れて蒸したパンは、素朴でどこか懐かしい味。おやつとしてもいいですが、朝の“おめざ”にするのも◎。

・手作りの匠 眺海せんべい工房「くるみまんじゅう」(170円)
 パイのような皮に粒あんを包んだ饅頭に香ばしい胡桃をトッピング。熱い緑茶を啜りながら味わいたい。

・和菓子司 風林堂「あげまん」(190円)
 あげまんは、あっさりとした白餡入りのあんドーナツに、たっぷりとお砂糖をまぶしています。菜種油の独特な香りとコクがドーナツの美味しさを引き立てます。かなり甘いですが、コーヒーとの相性抜群!疲れた時の糖分補給に最高。

まとめ

[食楽web]
[食楽web]

 東京には、まだまだいろんな地方の美味しいものを販売しているアンテナショップがたくさんあります。今後も全国津々浦々、美味しい和菓子を探して紹介しますのでお楽しみに!

●SHOP INFO
山形県アンテナショップ「おいしい山形プラザ」

住:東京都中央区銀座一丁目5-10ギンザファーストファイブビル1F・2F
TEL:03-5250-1752
営:10:00~20:00
休:年末年始

●著者プロフィール

牡丹餅あんこ
フリーライター・編集。グルメ誌、旅行誌、女性誌、Webの取材、撮影、執筆、編集、イラストを担当。さまざまな土地のお土産やご当地グルメを歩いて探すのが好き。