歴史ある東京名物「都電もなか」を買いに行こう

そしてやってきたのが『都電もなか本舗 菓匠 明美』。店内に入って目に留まるのが、都電を模した「都電もなか」。「明治44年から昭和40年代まで都民の足として慕われていた都電を、何とかして形に残したい」 と作られたそうで、東京土産として有名です。
もなかは、1個ではなく車輌の1輌(りょう)で数えるところが粋。10輌入りは車庫を模した箱入り、14〜32輌入りには路線図のすごろく箱も用意されていて、芸が細かいです。包装紙にも路線図が描かれていて、いただいたら紙回収に出すのがもったいなくなりますよ。パッケージには全7種の都電のイラストが描かれています。

店員さんにおすすめパッケージを伺ってみたら、「中身は同じなので、本当にお好みで。どれがというものがなけらばランダムにお入れしますよ」とのことでした。おまかせにしたら、黄色の都電6000形と、白と青の都電8900形が入っていました。7種の中には、今動いていない車輌や活躍中の車輌もありますよ。

箱を開けるともなかも窓や扉まである都電のかたち。かわいくて食べるのがもったいないですが、パクッといきましょう。

さくさくの香ばしいもなかに、北海道道産小豆で作られたつぶし餡の程良い甘さに癒やされます。さらに白玉粉のもちもちの求肥も入っていてお腹も大満足。
デフォルメされた車輌がかわいい「どら焼」もおすすめ!

もっと都電にちなんだお菓子をご希望の人には、都電の焼き印が可愛い「どら焼」はいかがでしょう。つぶ餡を包む、やわらかく口の中でとろけるような皮。仄かなはちみつの味がやさしく、つぶ餡の甘さを引き立ててくれます。
王子の伝承を思い出させる「王子の狐」

梶原駅の2駅隣にあるのが王子駅です。王子にある王子稲荷神社は、落語「王子の狐」のゆかりの場所。また、大晦日に狐たちが王子の榎(現在、装束稲荷の場所にある)で、衣服を正して王子稲荷へお詣りしたという話が残っています。歌川広重は名所江戸百景に伝承の狐火を描き、現代では狐の行列イベントが開催されるほど、王子は狐とご縁が深い場所なのです。
明美の「王子の狐」は、耳元に可愛いかんざしがちょこん。かんざしは季節毎に変わるそうです。
![みっちり詰まったこし餡 [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/07/20240712-toden10.jpg)
薯蕷(じょうよ)まんじゅうで山芋が入っているため、皮がしっとりもちもち。さらりとしたこし餡の甘さは、お茶請けにぴったりです。

都電に乗れば、古き良き風情と新しさが混ざり合う街並みを巡ることができます。30ある都電荒川線の停留所から気ままに途中下車の旅をすれば、新たな出会いがあるかもしれません。ぶらり旅のお供やお土産には、ぜひ都電や狐を模したお菓子をどうぞ。
(撮影・文◎乃々)
●SHOP INFO
店名:都電もなか本舗 菓匠 明美
住:東京都北区堀船3-30-12
営:10:00~18:00
休:月曜(祝日は営業・振替休業あり)
https://www.todenmonaka.com/