
●静岡県富士宮市にある人気パティスリー『MONT SAINT FUJI』の魅力に、地元出身のおいしいローカル部メンバーが迫ります。
富士山を祀り、富士山と共に歴史を創る街、静岡県富士宮市。例年、富士登山者のおよそ4分の1が富士宮口から山頂を目指します。今年も国内外から多くの富士登山者が富士宮を訪れることでしょう。
でも富士登山だけで富士宮を訪れるのはもったいない。豊かな自然に恵まれた富士宮は農業や畜産業が盛ん。その食材を活かしたグルメやスイーツも多く、静岡県屈指の食の街でもあるのです。今回はその中でも特に人気のパティスリーをご紹介しましょう。

富士宮市のシンボルとも言える富士山本宮浅間大社。そこから富士山方面に車を走らせることおよそ5分。のどかな田園風景の中に、富士山の山肌を彷彿とさせる紺青色を纏った建物が目に飛び込んできます。そのお店が今回紹介するパティスリー『MONT SAINT FUJI(モンサンフジ)』です。
2019年のオープン以来、富士宮市民のみならず、県内外のファンをも魅了してやまないケーキを販売しています。
コンセプトは「富士宮とフランスの融合」

『MONT SAINT FUJI』の一番の魅力は、富士宮の食材を活かしたフランスの本格派ケーキを味わえること。富士宮で生まれ育ち、フランス修業で腕を磨いたシェフパティシエが手掛けるケーキは、1個でも満足することができる大きさで食べ応えのある味わいが特徴。テイクアウトもできますが、今回は雄大な富士山を望むことができるイートインスペースで味わうことにしました。


今回選んだのは4つのスイーツ。「バニラプリン」はシンプルがゆえ、お店の本気度がよく分かる一品。養鶏場から仕入れたこだわりの卵による滑らかでとろけるような舌ざわりと、バニラビーンズの甘く豊かな芳香が同時に押し寄せます。
「シャンティフレーズ」は王道のショートケーキ。富士宮産のイチゴの酸味と深みのあるクレームシャンティが織り成すハーモニーが絶妙。ピスタチオグリーンが映えるクリームチーズのムース「ルージュピスタージュ」は、富士宮産のルバーブとイチゴのコンフィチュールの甘酸っぱさが華を添えます。さらに「カカオエット」はフランスヴァローナ社製のチョコレートに、富士宮特産の落花生を合わせたスペシャリテ。濃厚なチョコレートに落花生の香ばしさと歯応えが新鮮なアクセントを与えます。
![「和紅茶」(440円)をカカオエットと共に [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/09/20250930-montsaint05.jpg)
ケーキに合わせるドリンク選びもイートインならではの楽しみ。今回は静岡県産の和紅茶「琥珀スイート」を合わせてみました。華やかでフルーツのような香りと渋みを抑えたスッキリした味わいは、濃厚なケーキの味を引き立てる最高のパートナー。食後の余韻もより一層、心地良くなります。
ケーキ選びは恋人探し

「ケーキ選びは恋人探しと同じ。味だけでなく、見た目も美しくなければ選んでもらえないんです」と語るのは、シェフパティシエの篠原健史郎さん。「目の前で買いたいと思うケーキを作れ」という修業時代の教えを心に刻み、日々ケーキ作りに取り組んでいます。
ショーケースに並ぶ彩豊かなケーキは、『MONT SAINT FUJI』の想いが込められたラブレター。どのラブレターを受け取るかはあなたの心次第。ケーキという名の恋人を探しに、ぜひ足を運んでみて下さい。
(撮影・文◎橋田 直幸)
●SHOP INFO
MONT SAINT FUJI
住:静岡県富士宮市外神431-1
TEL:050-3503-1921
営:10:00~18:00
休:火・水曜
https://montsaint22.thebase.in/
@mont_saint_fuji
●著者プロフィール
橋田直幸
静岡県出身。2級フードアナリスト。静岡県及び山梨県の環富士山地域の食情報を発信するグルメインフルエンサー。吉田のうどんについては特に造詣が深く、「吉田のうどんマイスター」としても活動中。食のイベント支援やご当地食材を使ったレシピ監修も手掛ける。 https://www.instagram.com/naoyuki_glorious20/