顎の筋肉総動員で噛む、コシの強い蕎麦

『立ち食い蕎麦 噛む。』は神保町駅から徒歩5〜6分ほどの白山通り沿いにあります。角地に建っており、黒を基調とした和食屋さん風のカッコイイ佇まい。
店頭のメニューには、立ち蕎麦コンビが話していた通り、看板商品の「肉盛りつけ蕎麦」(980円)が掲げられています。確かに牛肉、豚肉、鶏肉から選べて、どれも980円です。
店内に入ると、細長い空間ながら広々としていて、清潔感もあります。さらに角地にあるため窓も大きく、とっても明るい。立ち食いとはいえ居心地が良さそうです。

早速、入り口の券売機で、看板商品の「肉盛りつけ蕎麦」(980円)をポチります。牛肉、豚肉、鶏肉を選べて同じ値段というのも嬉しいですね。今回、筆者は牛肉をチョイス。レシートに番号が付いているので、それを持って好きな場所に移動し、呼ばれるのを待ちます。
待つこと5〜6分で登場したのがこちら!

トレーには冷たいおつゆと生卵と、蕎麦湯もセットされています。そして蕎麦がのったお皿を見てください。蕎麦が超極太。その上にのっている牛肉もてんこ盛り。すごいボリュームですよね。ラーメンのつけめんも麺量が多いものですが、これも、一般的なざるそばの倍量はあると思います。
この「肉盛りつけ蕎麦」にはおすすめの食べ方があるようです。その食べ方とは、
(1)肉とそばを一緒につけ汁につけて食べる
(2)ある程度食べたら、生卵をそばに直接割り入れ、混ぜてからつけ汁につけて食べる。
(3)最後に蕎麦湯をつけ汁に入れて、温かいつけ汁にし、蕎麦をつけて食べる。
といった具合です。

つけ汁にはラー油が入っています。コシのある太い蕎麦をつけ汁に浸し、ワッシ、ワッシ、噛む、噛む。1本だけでも相当な歯応えで、顎の筋肉を総動員。ラー油が、太い蕎麦にしっかりと絡まりついてきていい感じ。
牛肉は赤身肉で、あっさり&さっぱり。しゃぶしゃぶ気分です。

そのまま食べ進みますが、蕎麦を1本1本しっかり噛んで食べているので、蕎麦がなかなか減らない……。もはやデカ盛り料理と格闘しているような気分になってきました。ちょっと食べ切れるかなと不安にも。
ただ、ここで思い出したのが生卵です。蕎麦に直に割り入れ、軽く混ぜて食べてみます。
すると、ア〜ラ不思議。卵が蕎麦をコーティングしてなめらかになるせいか、ワシワシ感がやわらぐのです。こうすると、コシのあるそばも、なぜかスルスルっと食べられる。卵って味をまろやかにするだけでなく、舌触りをなめらかにして、食べやすくしてくれるんですね。
![蕎麦に生卵を割り入れて、軽く混ぜてからつゆに浸すと、食感がなめらかに[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/09/20250906-kamu08.jpg)
卵の力を借りて食べ進め、蕎麦がわずかになってきたあたりで、蕎麦湯を入れてフィニッシュ。温かいつゆになると、また食欲がそそられます。最後はつゆをずずっと飲み干してしまいました。

というわけで、「肉盛りつけ蕎麦」は、大蜀漢でもない筆者にとって食べ切れるか心配でしたが、おすすめの食べ方を試してみると、楽しく完食できました。
次は豚肉や鶏肉のほか、天ぷらでもこの極太蕎麦を食べてみたいという気持ちに。立ち蕎麦マニアがここに通う理由がよくわかりました。ぜひ、皆さんも神保町の『噛む。』で、蕎麦をワシワシ噛んでみてください。
(撮影・文◎土原亜子)