王道の町中華メニューで至福のひと時を!

筆者がいつもオーダーする鉄板メニューは、餃子(430円)、木耳玉子炒め(630円)、チャーハン(680円)です。いわゆるザ・町中華の王道料理と言えるでしょう。
まずここの餃子。注文すると、大抵の場合、これが先に出てきます。大きすぎず、小さすぎず。絶妙なサイズ感で、実に理想的な焼き具合です。

まず、皮のカリッと香ばしい面と、つるっとした面のコントラストが素晴らしい。中身はさっぱりした野菜多めの肉餡。味がしっかりついているので、調味料をつけずに食べても美味。ふんわりしていて軽快なので、ビールのアテにも最高です。

続いて、店の人気メニューの一つ「木耳と玉子炒め」。プリップリのキクラゲ(木耳)を主役に、チンゲン菜やニンジン、玉ねぎといった野菜が脇を固めます。そして玉子もたっぷり。とろ〜りとした餡は、塩味や甘味は控えめで、中華スープの旨味が濃いものの、これまた軽めの味わいで、レンゲが止まりません。
しかし、もしチャーハンを頼んでいた場合、この「木耳と玉子炒め」は半分くらい残しておいて、一緒に味わうのがベストです。
![「チャーハン」(680円)[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/10/20241019-gifuya06.jpg)
ここのチャーハン、まず作る様子からしてスゴい。料理人のおじさんが、中華鍋に油と卵をちゃちゃっと投入し、そこに大きなお玉2杯強の白米を入れ、刻んだナルトとネギを加え、全編ほぼノールックで仕上げていきます。いたってフツーのビジュアルのように見えますが、食べてみるとこれがしみじみ美味しい。
チャーハンの隙間に空気を含むような炒め具合、ごはん粒のパラパラ感、そして絶妙な水分量でしっとり感もある。そしてこれも味がしょっぱすぎず、ひたすらちょうどいい。チャーハンが名物という店は都内に多くありますが、ここはそれを売りにはしていないものの、正直、筆者は名物料理と呼んで良いんじゃないかと思っています。

そして、残しておいた「木耳と玉子炒め」をチャーハンに載せて一緒に食べてみると、さらに旨さが加速します。パラパラなチャーハンにとろ〜り玉子のあんかけ。ここの料理はどれもこれもしつこくなく、味も濃すぎないので、この2つの共演は最高です。
『岐阜屋』には、ご紹介した料理以外にも、たくさん美味しいメニューがあります。まだ行ったことがないという人は、ぜひ訪れてその昭和感を体験してみてください。
(撮影・文◎土原亜子)