大阪人が愛してやまない一品。明治創業の定食屋『大黒』の「かやく御飯弁当」とは?

歴史ある「かやく御飯」はシンプルだけど絶品

「かやく御飯 おかず付き」1400円
「かやく御飯 おかず付き」1400円

 近くの公園まで移動して食べることにしましょう。ちなみにこちらのお弁当ですが「かやく御飯おかず付き」という名前で、おかずなしのかやく御飯のみのメニューもあるので、お弁当にする場合には、おかず付きをお間違いなく。

 さて、いただきます。まずは看板メニューのかやく御飯から。そもそもかやく御飯のかやくは「加薬」と書き、薬味を加えた、つまり具材入りのご飯。全国区的にはいわゆる炊き込みご飯と同じ食べ物の関西の名前なのですが、大黒のかやく御飯は一般的な炊き込みご飯と比べると具材がかなり小さめ。しかしその美味しさは抜群です。

 パッと見では分からないほど小さく刻まれたコンニャクと油揚げ、それにゴボウが入ったシンプルな炊き込みご飯となっていますが、具材が小さく切られている分、ご飯と具材のシンクロ率が高いのが特徴。

 ダシの味わいと素材の風味がいい意味でご飯に入り込み、ご飯の美味しさが引き立った炊き込みご飯。まさに薬味を加えたかやく御飯という名前にピッタリです。

おかずも見た目からは想像もできない実力派ぞろい

 こちらのお弁当、脇を固めるおかずは煮物主体で肉っ気がなく、現代日本人からすると少し頼りなさを感じるラインナップに感じられますが、いずれも実力派。

 定番の焼き魚は絶妙に香ばしく焼かれた鰆で、しっかりと存在感を放っています。

 ひじきの煮物はかなり控えめな味付けですがその分、素材の味が強め。今まで食べたどのひじきの煮物よりも、ひじきの美味しさが強烈に感じられました。

[食楽web]
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 小さめの茄子を半分にカットして煮込まれた姿煮の茄子はぷるんとした食感で、出汁をたっぷりと吸い、旨味が詰まっていました。

 他には絶妙の火加減で煮込まれたカボチャや、ゴボウの風味とちくわのアクセントが美味しいきんぴら風など、シンプルだけど確かな実力に裏打ちされた、十二分におかずとして成立している力強いお弁当でした。

まとめ

 こんなに美味しいお弁当は滅多にお目にかかれないレベルなので、出張の際のホテルや新幹線でのお弁当、お花見などの行楽のお弁当にもピッタリです。ただし、かなりの人気店なのと日曜祝日はお休みなので、あらかじめ電話して予約して行くのがオススメとなっています。

(撮影・文◎けいたろう)

●SHOP INFO

大黒(だいこく)

住:大阪府大阪市中央区道頓堀2-2-7
TEL:06-6211-1101
営:11:30~14:30(L.O.14:00)
休:日曜、月曜、祝日

●著者プロフィール

けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。