カルビー「コンソメパンチ」が45周年! 初代開発担当者が語った誕生秘話と味のこだわりとは?

フレンチで食べたコンソメスープが誕生の由来!?

歴代の「コンソメパンチ」と「コンソメダブルパンチ」がずらり
歴代の「コンソメパンチ」と「コンソメダブルパンチ」がずらり

「開発を担当したのは、入社2年目の時。正直、何だか良くわからず、三代目の社長がフレンチレストランで食べたコンソメスープから着想を得て誕生しました。

ネーミングの由来は?

発売当初のパッケージ
発売当初のパッケージ

 発売当初のパッケージはとてもシンプル。しかし、クリーム色とフォントのオレンジ色は、現在にも受け継がれています。

「当時の流行語。元気が良い、威勢がよいという意味を持っていました。あとは、文字数を意識しました。俳句や短歌のように、5や7におさまるように」(阿紀さん)

販売当時はなかなか売上が上がらなかった

当時の社報。「サワー(酸味)で引き締めたところに特徴」と書かれていました
当時の社報。「サワー(酸味)で引き締めたところに特徴」と書かれていました

「『あきくん、コンソメパンチがピンチだよ!』って社長に言われて(笑)。このリニューアルは自分がリードしなきゃと、多くのレストランでコンソメスープを飲み歩きましたね。コンソメスープは食事の最初に食べるもので、次に進ませる味なんですね。ゴテゴテしすぎていない。あっさりはしているけどビーフの調理感を出したかった。そこで梅肉を思いつきました」(阿紀さん)

現行品にも隠し味として使われている梅肉パウダー
現行品にも隠し味として使われている梅肉パウダー

「ビーフコンソメのコク深さの余韻を切る“酸味”が必要だと思いました。酸味料は色々とありますが、コンソメは調理されているものなので、リンゴ酸やクエン酸ではマッチしない。梅肉はカドがないんです。フリーズドライにしてパウダー状にするのもポイントと思います」(阿紀さん)

特別に開発当時の味を再現したポテトチップス
特別に開発当時の味を再現したポテトチップス

 特別に開発当時の味を再現したポテトチップスを試食。パリッとした食感とビーフの味がガツンときますが、後味はすっきりとしていました。梅肉はあくまで隠し味で、まさに“よい塩梅”。ステーキの付け合せで出てきそうな丁寧な味わいでした。

 現在売られている商品「コンソメパンチ」はこれまで10回を超えるリニューアルを続けています。さらに、フレーバーを2倍にした「コンソメダブルパンチ」、11月13日から発売したフレーバー3.5倍の「コンソメ メガトンパンチ」と、時代のニーズとともに進化を続けています。

「コンソメパンチ」の生みの親である阿紀雅敏さん [食楽web]
「コンソメパンチ」の生みの親である阿紀雅敏さん [食楽web]

 阿紀さんは新作の「コンソメメガトンパンチ」を試食しながらこう話します。

「私、つい習慣で袋を開けて匂いを嗅いでしまうんですけど。この時に、“やっぱりこれだ”というものがあるんですね。どんなに進化しても最初の一枚は、カルビーのコンソメパンチってこれだよねというDNAを感じました」(阿紀さん)

調査結果

 1978年の発売当時の味は、ビーフコンソメのコク深さの余韻をあえて切るように、後味の梅肉パウダーが効いていました。次に進みたくなるコンソメパンチならではの“やみつき”感は、当時からしっかり計算されて作られていたことがわかりました。

(撮影・文◎亀井亜衣子)

●DATA

カルビー
https://www.calbee.co.jp/