国産鶏特有の旨みとコクで鶏肉の美味しさを堪能できる
まずいただいたのは「国産モモから揚げ弁当」。1個40g近くありそうな、やや大きめサイズのからあげが入っています。衣には国産の片栗粉と米粉を使用しているそうですが、歯を立てただけでその薄さがわかります。
からっ鳥を運営する株式会社いなきん・代表取締役の金子人士さん曰く、「粉は一つひとつ手で落としています」とのこと。その言葉通り、衣は見事なまでに薄く、歯が触れただけでその向こうに肉の柔らかい食感が伝わってくるほどです。
そして筆者がもっとも驚いたのは、ひと噛みするだけで炸裂する肉の旨みの強さ。舌の上を駆け抜けて、のどに突き刺さる勢いで口いっぱいに広がる濃い味わいにびっくり。しかも広がりながら、徐々にコクを増していくのです。
国産鶏特有の上品で豊かなコクで、しつこさは皆無。ああ、鶏肉って本当に美味しいなあ……と思えてしまうからあげ。あまりの美味しさにため息まで出てきそうです。前出の金子さんによると「ステーキに使用できる鶏肉を、あえてからあげにしています」とのこと。なんとも贅沢。さすがですね。
2度揚げはせず、スチコンで蒸し焼きにして余分な油を飛ばす
そして「国産ムネから揚げ弁当」もいただきます。熱の入り具合を均等にするため、やや平べったい形状にしてあるのが特徴です。このムネ肉のからあげもまた、旨み&肉汁がスゴい!
前歯を立てれば、あふれ出る肉汁が歯と唇をじんわりと濡らしていきます。ムネ肉とは思えないほどにソフトで優しい歯ざわり。モモ肉と間違ってしまう人もいるのでは? と大げさでなく思ったほどです。
ちなみにこちらのから揚げは、油で3分ほど揚げた後、余熱で火を通し、そこからさらにスチームコンベクションオーブンで蒸し焼きにしているのが特徴。これで余分な油も飛ぶそうで、確かに油っぽさをほぼ感じない仕上がりになっています。薄衣によるものかと思っていましたが、それだけではなかったんですね。ひと手間加えて、さらに美味しさにこだわるところは、さすが老舗のご主人が監修しただけのことはあります
お店は人形町の甘酒横丁からすぐのところにあります。から揚げは単品でも販売しているので、趣ある街並みを眺めつつ、この極旨からあげを食べながら散策するのもオススメですよ。
●SHOP INFO
店名:からっ鳥 日本橋人形町店
住:東京都中央区日本橋人形町1-17-9
TEL:03-6661-0506
営:11:00~20:00ごろ
休:年末年始
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。