愛される酒場の条件【5】市民酒蔵 諸星

愛される酒場の条件【5】市民酒蔵 諸星
上/土間と対面式のカウンターの組み合わせが、大衆的な雰囲気を色濃くする。左下/「レバカツ」450円。中左/「かつおの刺身」500円。右下/「とんみの」400円 | 食楽web

常連客に永く愛され続ける店とは、一体どんな店だろう? そんな事を考えて酒場を巡ってみるといつも客で賑わう店には、「絶対的な名物料理がある」「ひとり客が安心して通える」など、いくつかの共通項が見えてきた。

条件その五 カウンターの表情がいい

カウンターは、その店の雰囲気を形作る重要な要素のひとつだ。その表情ひとつで店に対する印象は良くも悪くもなる。『諸星』のカウンターはどうだろう。

一枚板の檜ではなく、決してその存在が店に凛とした雰囲気をもたらすようなものではない。ただ、7m余りの対面式カウンターが奥へと続き、知らぬ客同士が面と向き合って飲む姿は、他ではお目にかかれない光景だ。

「カウンターは昭和39年の建て替えから変わっていません。酒屋が前身ですから、後ろの棚は昔の名残として作られました」とは3代目の諸星道治さんである。

その一方で、丁寧な字で書かれ、整然と並ぶ短冊の品書きは店の雰囲気をキリッと引き締めもする。今をときめく日本酒の品揃えも老舗大衆酒場らしからぬ一面だろう。

対面式カウンターに座り、大衆酒場の定番つまみと名酒を味わうひととき。ここでしか楽しめない、唯一無二の寛ぎが常連客を虜にしていることは間違いない。

●SHOP INFO

店名:市民酒蔵 諸星

住:神奈川県横浜市神奈川区子安通3-289
TEL:045-441-0840
営:17:00~23:00(22:00LO)
休:土・日・祝休
予算/2000円~ 個室/なし カード/不可