愛される酒場の条件【4】大塚はなおか

愛される酒場の条件【4】大塚はなおか
左上/年間を通じ、提供の「季節野菜の出汁蒸し」は余韻が吟醸香とよく合う。この日は「天寶 山田錦純吟」と。 左下/「鶏ハムと夏野菜の酢漬」に「新政 瑠璃2015」 右下/「キダイの煮付」に合う一例として、この日は純米酒熟成「遊穂の湯ーほっ。」。 | 食楽web

常連客に永く愛され続ける店とは、一体どんな店だろう? そんな事を考えて酒場を巡ってみるといつも客で賑わう店には、「絶対的な名物料理がある」「ひとり客が安心して通える」など、いくつかの共通項が見えてきた。

条件その四 仕事が丁寧

美しく煌めく、ひと筋の酒。一升瓶からグラスへ見事に注がれていく。店主の花岡賢さんは言う。

「酒槽から流れる生まれたてのお酒。そんなイメージで注いでいます」。この言葉を聞くとオタクが集うマニアな店のように思われるが、さにあらず。

「ウチは日本酒を再発見して頂く装置でありたい」。尋ねられれば応えるだけの知識や技術は無論、備えているが、まずは飲んで食べて素直に、日本酒の魅力に気付いて欲しい。花岡さんは心からそう念じているのだ。

コースが基本の料理は、だから、多彩に揃う日本酒のタイプに寄り添う構成。吟醸から純米、本醸造へ至る道程を想定している。

たとえば、この日は熟成純米酒を常温で、魚の煮付けと。温度に気を配るのは当然のことで、「安酒から高級品まで同じ考えで醸す一貫性のある蔵元」の酒を入れ、「彼らが嫌がることは絶対にせず」提供している。確かに、飲んで食べればしみじみ旨い。花岡さんも静かに笑顔。丁寧な仕事ぶりは試せばわかる。

●SHOP INFO

大塚 はなおか

店名:大塚 はなおか

住:東京都豊島区南大塚1-51-18
TEL:03-5395-6707
営:17:00~22:00最終入店
休:不定休
予算/6,500円 個室/あり(半個室) カード/可
料理はすべて9品3,600円のコースより。合わせて供される酒は目安500円~(一杯100ml)