3種の蕎麦が味わえる「天付き蕎麦三昧」を満喫

さて、蕎麦好きとしては、十割・粗挽き・田舎、3種の蕎麦を食べ比べてみたくなると思いますが、平日限定で、ぴったりのメニューがあります。それが「天付き蕎麦三昧」(3,700円)。
3種の蕎麦を、それぞれ半量のもりそば2種、半量のかけそば1種で楽しめて、なおかつ「そばがき」と「海老のかきあげ、野菜の天ぷら2種」が付いてくるという、なんとも贅沢なプチコースなのです。

最初に運ばれてきた「そばがき」はむっちりなめらかな食感で、もり用のつけ汁よりも醤油が効いた汁につけていただきます。こちらのお店、器がどれも独特で楽しいのですが、薬味の器もめちゃくちゃ個性的で、3種の薬味がなんとも可愛く見えます。
続いては天ぷら。メインの「海老のかきあげ」はサクッと軽い食感で、上に散らしてある揚げ玉がアクセント。シルクスイート(さつまいも)と菜の花の天ぷらも薄衣で、素材そのものの味をじっくり楽しめます。

そしてお待ちかね、〆は3種のお蕎麦の食べ比べです。
まずは看板メニューの「十割」から。本日は茨城の常陸秋そば。細めの蕎麦は、十割でもしっかりカドが立っていて、蕎麦の風味とのどごし、両方しっかり味わえます。辛口ながらバランスのよいつけ汁との相性も最高です。

![蕎麦の風味とのどごしが完璧![食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2026/01/20260110-takeyabu11.jpg)
ぶっちゃけ、これだけ普通に1枚思いっきり食べたいところですが(笑)、今回は少量ずつの食べ比べです。
「粗挽き」は秋田の在来種を使用。粗く挽いた蕎麦粉を使うため、1割〜1.5割のつなぎを使用しているとのこと。

粗挽きらしいざらっとした舌触りと、みずみずしい食感が同時に味わえて、これまた美味しい! これもこれでしっかり1枚食べたい(笑)。木の器がどれも味があって、1枚1枚気分も変わります。

最後は「田舎」、この日は秋田の固有種を使用。温かい、かけでいただきます。黒い外皮ごと挽いた、ワイルドな見た目とは裏腹に、平打ちで文字通りひらひらと軽い食感で、これもぺろりと行けてしまう美味しさです。透き通ったかけ汁は、出汁の風味を感じるすっきりした味わいが特徴で、飲み干せる美味しさ。

ここで、こちらのお店の僕が好きなポイントをもう1つ。
卓上に置いてある唐辛子は、一味でも七味でもなく、オリジナルにブレンドした、三味。

蕎麦の風味を邪魔しないようにと、あえて七味ではなく、唐辛子と柚子、完熟山椒の3種類だけをブレンド。これが実に美味しいんです。蕎麦の風味をしっかり味わってもらうための、細かいこだわりがすごいです。
わざわざ食べに行きたくなる名店

蕎麦も蕎麦前もこだわりの美味しさで魅了してくれる、東京を代表する名店『千寿 竹やぶ』。3種の蕎麦がどれもウマいので迷ってしまうという悩みだけありますが、北千住までちょっとした旅気分も味わいながら、美味しい蕎麦を食べに行ってみてください。
(撮影◎橋本真美)
●著者プロフィール
小宮山雄飛
ホフディランのVo&Key担当。ミュージシャンの傍ら、グルメ番長として食のシーンでも活躍し、様々な雑誌やWEBサイトでの連載、レシピ開発なども行う。著書には『旨い!家カレー』『レモンライス レシピ』『小宮山雄飛 今日もひとり酒場』など。テレビ、ラジオ番組の出演なども多数。









