向島の「三大和菓子」とは? 下町情緒あふれる向島で老舗和菓子店めぐり

300年変わらぬ味。桜もちの元祖『長命寺 桜もち 山本や』へ

 江戸時代の創業以来、ずっと「桜もち」だけを作り続けている老舗です。隅田川の土手の桜葉を塩漬けにして「桜もち」を作り、長命寺の門前で売ったのがはじめだそう。今でも長命寺のすぐ隣にあり、イートインもお持ち帰りもできます。

召し上がり「桜もち(煎茶付き)」500円、持ち帰りバラ1個250円
召し上がり「桜もち(煎茶付き)」500円、持ち帰りバラ1個250円

 現在、桜葉は西伊豆・松崎産オオシマザクラの葉を使用し、300年間同じ製法で作り続けています。他の2つもそうですが、添加物ゼロなので作ったその日が賞味期限。食材のおいしさを安心して味わえます。

 桜の葉が3枚付いていました。葉は外して香りの付いた餅と餡を食べることがおすすめだそうですが、付けたままでも食べられます。

 桜葉がもったいないと付けたままいただくと、しょっぱさとこしあんの甘さが同時にやってきます。お漬物みたいに塩気たっぷり。薄皮に包まれたこしあんが桜葉の塩分でより甘く感じます。鼻に抜ける葉の香りを感じると気分は春。煎茶でほっと一息つきながら食べれば、散策での疲れも飛んでいきます。

●SHOP INFO

長命寺 桜もち 山本や

住:東京都墨田区向島5-1-14
TEL:03-3622-3266
営:8:30~18:00 ※元日のみ10:00~17:00
休:月曜

著名人に愛された江戸末期創業の『言問団子』

 三色の団子が有名な江戸末期創業の和菓子屋『向島 言問団子』。在原業平が東国を旅した時に隅田川付近で詠んだ和歌「名にし負わばいざ言問はん都鳥わが思ふ人はありやなしやと」より名付けられました。「言問団子」は作家の幸田露伴や画家の竹久夢二にも愛された団子です。『長命寺 桜もち』から目と鼻の先の場所にあります。

召上り「言問団子」780円
召上り「言問団子」780円

 イートインスペースに入ると、団子3つとお茶が出てきます。言問の文字と都鳥(ゆりかもめのこと)がかわいいお皿と湯呑み。三色団子といえば、串に刺さったイメージですが、刺さっていないバラスタイルが特徴の団子です。

 ふじむらさき小豆を使用した小豆餡、手亡(てぼう)豆という白いんげんを使った白餡に、黄色く着色されたみそ餡の3色。小豆餡と白餡は中に米粉団子が入り、みそ餡はクチナシで着色した白玉もちで餡を包んであります。それぞれの食材の味が感じられる団子の味を楽しみながらお茶を飲めるなんて幸せ。

 2か所をまわってお腹いっぱいになったところで、お土産を買いに3軒目へ。

●SHOP INFO

向島 言問団子

住:東京都墨田区向島5-5-22
TEL:03-3622-0081
営:9:00~17:00