【北海道グルメ】世界が注目する美食の宝庫・北海道の本当に美味しい「道産食材」5選

料理の土台としておいしさを支える北海道産たまねぎ

規格外のスケールで生産されるたまねぎ
規格外のスケールで生産されるたまねぎ

 日本の食卓に上がる「たまねぎ」の約6割は北海道産と言っても過言ではありません。筆者の実家では、冬を迎えるまでにたまねぎを段ボール買いし、冷える玄関で貯蔵し、味噌汁やシチューにして冬の間、楽しんでいます。

 年間の出荷量はなんと77万2900トン。生産者が収穫したたまねぎは大型の鉄製コンテナに詰めて風乾されたのち、選果場に運び込まれます。この大型コンテナは縦118cm×横179.5cm×高さ132.2cmで重さは約120kg。まさに規格外のスケールで生産されています。

 道外に出荷されたたまねぎは、通称「たまねぎ列車」に乗せられて運ばれます。主産地である北見市周辺で見られる、北海道ならではの光景です。

北海道でしか栽培されていないてん菜

日本甜菜製糖芽室製糖所  [食楽web]
日本甜菜製糖芽室製糖所 [食楽web]

「てん菜」は、砂糖の原料になる植物です。寒冷地でも育つため、ヨーロッパでは砂糖の原料として広く栽培されています。日本では砂糖の6割以上は輸入に頼っているのが現状で、自給率は約4割とされています。その8割が北海道で生産されるてん菜を原料としたもの。残りは、沖縄や鹿児島のサトウキビを由来としています。

 年間約55万トンの上白糖やグラニュー糖などが製造されており、最も大きい製糖所が芽室町の「日本甜菜製糖芽室製糖所」。北海道で生産されたてん菜を最も多く受け入れるため、東京ドーム約29個分の広さを保有し、毎日約2000台近くのトラックが工場にてん菜を搬入しています。

砂糖になる前のてん菜
砂糖になる前のてん菜

 先ほどのたまねぎもさることながら、てん菜のスケールも果てしない大きさ。何気なく口にしている砂糖ですが、日本食には欠かせない調味料でもあります。ご自宅で使っている砂糖はどこで造られたものか、ぜひ興味をもってチェックしてみると良いでしょう。

2024年は道産ワインが盛り上がる予感!

山幸種
山幸種

 かねてより、小樽や函館などでワインの醸造が行われてきました。2024年2月の調べでは、道内に64か所のワイナリーが点在し、10年前と比べると約3倍近くまで増加しています。

 元々は気温が低く、ぶどう栽培には不向きな土地でしたが、昨今の気候の変化でワイン用のぶどうが育ちやすくなり、道産のワイン用ぶどうも積極的に栽培されています。

 函館市の山裾では、ブルゴーニュの名門『ドメーヌ・ド・モンティーユ』が進出したことも話題になりました。実は当主のエティエンヌ・ド・モンティーユ氏が、余市で醸造されたピノ・ノワールを口にして、これはいけると目を付けたことがきっかけだとか。北海道から世界へ、国産ワインが羽ばたいていくことが期待されています。

酪農大国・北海道産のチーズ

生乳生産量ナンバーワン
生乳生産量ナンバーワン

 北海道は、生乳の生産量が全国一位。この牛乳を使った加工業も盛んで、特に近年注目を集めているのがチーズです。工房の数も10年前に比べて1.5倍に増加。令和4年度には132工房まで増えています。

 毎年ヨーロッパで開催される国際的なコンテスト「World Cheese Awards」にて、『しあわせチーズ工房』(足寄町)、『ニセコチーズ工房』(ニセコ町)が受賞を果たし、『World Championship Cheese Contest 2024』では、『川瀬チーズ工房』(長万部町)の「長万部ラクレット」が、出品数3302の中から世界トップ20に選出。今、北海道産チーズがアツいのです。

肉用牛の飼育用数は全国1位

黒毛和牛種
黒毛和牛種

「ミルクランド北海道」というキャッチコピーもあるように、酪農のイメージが強いのではないでしょうか? 実は肉用牛飼養頭数もなんと全国1位。黒毛和牛種は全国3位と、実は食用牛も広大な自然の中でのびのびと飼養されているのです。

 北海道ブランド牛の数はなんと約60種もあり、「大沼牛」や「サロマ牛」、「十勝和牛」など赤身に強い肉や、霜降りの和牛など様々な特徴を備えた牛が生産されています。そして、2027年には5年に一度行われる国内最大の和牛の祭典「全国和牛能力共進会」が北海道で初めて開催される予定です。

 北海道旅行では海産物を期待しがちですが、ぜひ牛肉やワイン、チーズにも注目してみてください!