700円で、絶品の塩からあげとこれだけの盛りが!
『家庭料理はなむら』で「塩味唐揚げ定食」をオーダーすると、わずか数分でサーブされました。ゴロッとした唐揚げ複数と盛りの良いご飯、副菜、漬物、味噌汁で構成されています。大きめの唐揚げなので、火入れにも相応の時間が必要なはずですが、注文からサーブまではわずか数分。作り置きではないはずなのに、この点もまた謎です。
さっそく唐揚げをいただきましたが、カリッとした衣に中の肉は艶々のプリップリ。あっさりとした味付けで、肉の旨みを十分感じることができます。もちろん鶏肉の臭み、雑味はいっさいないです。添えられているレモンを絞っていただくのももちろん美味で、ご飯がどんどん進んでしまう絶品の味です。
結構なボリューム感なので、普段筆者は「ご飯少なめ」をお願いしますが、これなら大食漢の方でも満足できるはずです。
流行りの大分唐揚げの真逆を行くあっさりした東京発祥唐揚げへのこだわり
この『家庭料理はなむら』、この市ヶ谷薬王寺の住宅街に店を構えて今年で41年になる老舗だそうです。2代目となる佐藤彬さんはこの『家庭料理はなむら』を切り盛りするほか、幡ヶ谷にある『から揚げ専門店 黄鶏屋(かしわや)』も並行して経営。やはり唐揚げには相当なこだわりを持っているとのこと。佐藤さんに話を聞いてみました。
「最近の唐揚げの流行りは、大分唐揚げをベースにした『にんにく強め』『醤油』といったものですが、『家庭料理はなむら』『から揚げ専門店 黄鶏屋(かしわや)』はその真逆の東京発祥唐揚げで、あっさりとした味付けにしています。もともとこの唐揚げの味付けを決めたのは母なのですが、先代の父親が一時味を変えていました。しかし、私が店を任せてもらうタイミングで、母の味に戻したのが今の味ですね。
普通の醤油味もありますが、『塩唐揚げ』を作ったのは、10年少し前のことです。夏場は唐揚げが売れなくなる時期でもある一方、塩味のさっぱりしたメニューが結構ウケるんです。こういった理由から作ったのが『塩からあげ』です。昔から母も私も、『鶏臭さ』が苦手なので、仕込みは本当に丁寧にやっています。店で鶏肉をさばいて筋などの余分なところを丁寧に切ってやっています」(『家庭料理はなむら』佐藤彬さん)
この手間隙のおかげで、あっさり美味しい唐揚げを提供できている点に納得。しかし、これだけの手間隙をかけているにもかかわらず、前述のような謎(低価格など)もあります。この点についても聞いてみました。
「安くご提供させていただいているのは、家族経営なので人件費を抑えらるからです。さらに仕入れを行う取り引き先の業者さんは昔からずっと同じところで、いろいろと便宜をはかってもらえる点も安くご提供できる理由です。
『鶏臭さ』が苦手な方、『にんにくキツめ』が苦手な方には是非一度食べていただきたいです。原則『家庭料理はなむら』も『から揚げ専門店 黄鶏屋(かしわや)』も同じ味の唐揚げをベースにしています。お近くにおいでの際は是非食べてみてください」(『家庭料理はなむら』佐藤彬さん)
味、量、価格全てがハイレベルの『家庭料理はなむら』。唐揚げにかける思いは都内でも屈指のように思います。遠方からでも行く価値が十分あるお店です。一度食べに行ってみてはいかがでしょうか。
(撮影・文◎松田義人)
●SHOP INFO
店名:家庭料理はなむら
住:東京都新宿区市谷薬王寺町77
TEL:03-3267-5324
営:11:00~13:30、17:00~20:00(L.O.19:30)
休:日曜