油のプロが教える! 料理をより美味しくする正しい油の選び方&使い方

Q1.家庭で常備すべき油はどれ?

家庭で常備すべき油はどれ?

 食用油を代表するキャノーラ油(菜種油)やサラダ油(大豆油と菜種油のブレンドなど)、大豆油、コーン油、べに花油、綿実油、ひまわり油など、どんな料理にも広く使えるオイルを、通称「汎用油」と言います。汎用油は1本あれば十分ですが、それぞれに植物名がついているように、それぞれの油に個性があり、料理にもその個性が表れます。

 例えば、料理をあっさり軽めの味に仕上げたい場合は、キャノーラ油(菜種油)やべに花油。この2つは熱に強いので、揚げ物はもちろん炒め物にもよく合い、料理が全体的にあっさりとした仕上がりになります。同じくあっさり系の油は、グレープシードオイル。これは生で使うと、野菜や魚などの食材の自然な旨みを引き出してくれるオイルです。

 一方、料理にコクや風味をつけたい場合は、米油、綿実油、コーン油などがオススメです。それぞれの植物特有の豊かな風味やコクが料理にプラスされるのです。天ぷら、フライにぴったりなのはもちろん、ケーキやドーナッツなど、甘いお菓子にもよく合うんですよ。こうした汎用油は、試してみて好みのものをストックするのが良いでしょう。

 余談ですが、「サラダ油」とは、1924年に日清オイリオが「日清サラダ油」を発売したのがその始まり。当時、日本では食用油は、主に揚げ物に使っていたのですが、西洋では、生野菜に塩や酢を加えた食用油をドレッシングにして食べていました。冷やしても固まりにくくサラダにも生で使用できる精製の度合いを高めた良質な油の製造に成功し、「サラダ油」と名付けたのです。

Q2.汎用油以外に揃えておくといい油は?

汎用油以外に揃えておくといい油は?

 料理をより楽しみたいという方は、「ごま油」と「オリーブオイル」を常備しておくといいでしょう。ご存知のようにこの2つはそれぞれ風味に特徴があり、生でも加熱しても、その個性的な香りで食欲を高めてくれます。

 ごま油は中華や韓国料理、和食にごまの芳醇な香りを加え、また、オリーブオイルはパスタやピッツァ、サラダやカルパッチョなどに、青リンゴのような爽やかな香りを与えてくれます。特に、夏場の今はそうめんにごま油を、冷製パスタにオリーブオイルを、小さじ1杯回しかけるだけで、風味豊かな一品になります。