「東北六県 魂の酒まつり」日本酒イベントレポ2|おつまみ弁当で県当てクイズ編

「東北 魂の酒まつり」日本酒イベントレポ2|おつまみ弁当編
食楽web

東北の酒をこよなく愛し、東北を応援したい日本酒ファンで大いに賑わった「東北六県 魂の酒まつり」のイベントレポート第2弾。

 前編に続き、「東北六県 魂の酒まつり」レポ。福島ブースを回りきったところで給水(和らぎ水)ブレイク。和らぎ水なくして、東北ロッケンは制覇できない。気分はマラソンランナーだ。給水ポイントのタイミングも大事だが、まずは補給を常に忘れないことが重要。ということで前回のおさらい。「片手にお猪口、片手に和らぎ水。心には東北愛を」。

 すると、給水要請と同時に「朝から何も食べていないんです」と空腹を訴える茂木。えーーーーっっ! 空きっ腹で東北ロッケンに挑むとはなんて無謀な! たとえ日本酒じゃなくても空腹での飲酒は酔うスピードが速い。お酒をおいしく味わうには事前になにか口にするのが好ましいし、なんなら、前日は十分な睡眠をとっておきたい。日本酒イベントデビュー戦に泥酔されても困る。誰か、誰か茂木に食べものをー!

 イベントによって利き酒はフリーでもフードは別料金というものもあるが、今回はおつまみ弁当付き。食事付きのイベントは料金設定が少々高いものの、イベントの趣向やお酒に合う料理が用意される。この日は東北ロッケンにちなんだ食材をふんだんに使ったおつまみとのこと。つまり、最初からお酒と料理の好マッチングが期待できる。

おつまみ弁当は9マス多品目系。1マスはお猪口の指定席。
おつまみ弁当は9マス多品目系。1マスはお猪口の指定席。

 お品書きはないが、さっそく県当てクイズに興じながら箸を進める。見た目でわかるもの、食べてわかるものが混在するが、牛タンは宮城、芋煮は山形、じゅんさいだから秋田、長芋はきっと青森と、ここまでは予想がついた。しかし、あとはピンとこないままだったので、おつまみ弁当のお品書きをイベント担当者に聞いてみた。茂木はよほどお腹が空いていたのか、すでに完食していた。

 ではさっそく答え合わせ。長芋揚げ煮は青森、切り昆布煮は岩手、じゅんさいは秋田、ねぎ味噌(会津味噌)は福島、牛タンは宮城、玉こんにゃく(芋煮)が山形だそう。残り2マスには玉子焼き、鮭塩焼き、海老フリッター、イカの磯辺揚げなどが盛り込まれていた。

 さまざまな味わいが楽しめ、筆者にはほどよいボリューム。ちなみに会場内には物販ブースも設けられている。おみやげ用はもちろん、個包装ですぐに食べられる乾物などちょっとしたつまみもあるので、購入して会場で酒の肴にするのもOKだ。

 引き続き、ステージに向かってレフト側ブース(福島、山形、宮城)で利き酒をしながら、筆者はラベル鑑賞にも興じることに。斬新でスタイリッシュなデザインや筆文字からゆる~いイラスト画まで、ラベルを見て味を想像しながら利き酒するのも結構楽しい。

(写真左)國権といえば力強い筆文字のイメージだが、こちらはうってかわって北欧調のやわらかいタッチ。同じ蔵元でもさまざまな顔がある。国権酒造(福島)。(写真右)「金水晶」の漢字を図形化した新ロゴが目を引く。SAKE COMPETITION 2017の「ラベルデザイン部門」入賞。金水晶酒造(福島)。
(写真左)國権といえば力強い筆文字のイメージだが、こちらはうってかわって北欧調のやわらかいタッチ。同じ蔵元でもさまざまな顔がある。国権酒造(福島)。(写真右)「金水晶」の漢字を図形化した新ロゴが目を引く。SAKE COMPETITION 2017の「ラベルデザイン部門」入賞。金水晶酒造(福島)。
(写真左)米鶴酒造(山形)のロゼ系日本酒。ゆる~いタッチのイラストがツボ。(写真右)東の麓酒造(山形)と東北芸術工科大学が共同開発したなんどでもおいしいお酒。ちなみにこれは裏貼り。
(写真左)米鶴酒造(山形)のロゼ系日本酒。ゆる~いタッチのイラストがツボ。(写真右)東の麓酒造(山形)と東北芸術工科大学が共同開発したなんどでもおいしいお酒。ちなみにこれは裏貼り。
銘柄である「玲瓏(れいろう)」とは玉などが透き通るように美しいさまや、玉などが触れ合って美しく鳴るさまを表す言葉。スタイリッシュモダンなデザイン。震災により現在仮設蔵で酒造りをする佐々木酒造(宮城)。飲んで応援します!
銘柄である「玲瓏(れいろう)」とは玉などが透き通るように美しいさまや、玉などが触れ合って美しく鳴るさまを表す言葉。スタイリッシュモダンなデザイン。震災により現在仮設蔵で酒造りをする佐々木酒造(宮城)。飲んで応援します!

「お酒の味はもちろん、ラベルのデザインもいろんな工夫があって面白いですね」と茂木。腹ごしらえをしてからは軽快な漫遊っぷり。「飲んだことのないお酒が多すぎる!」とうれしい悲鳴を上げている。空腹はしのげたかもしれないが、残り3県(秋田、青森、岩手)と燗酒ブースが控えている。利き酒持久力があるかどうかは怪しい。

格言「腹が減っては利き酒できぬ。空腹で利き酒イベントに来るべからず」

(つづく)

(取材・文◎笹森ゆうみ)