鰻&豚肉を一緒に揚げる!? とんかつ専門店が本気で作る「うなぎ巻きかつ」を食べたら最高に旨かった

うなぎと豚は相性バツグンだった

「うなぎ巻かつ御膳」1830円は食べごたえ十分!
「うなぎ巻かつ御膳」は食べごたえ十分!

 登場した「うなぎ巻かつ御膳」。想像の上をいく豪華絢爛ぶりでした。シャキシャキのキャベツ、筍がたくさん入ったお味噌汁、そしてツヤツヤのご飯、香の物2種。調味料には、とんかつソースをはじめタルタルソースや白ゴマ、さらにレモンや京山椒も。

 そして、メインはもちろん「うなぎ巻きかつ」なのですが、なんとエビフライやヒレカツものっている!

見た目も美しい「うなぎ巻きかつ」
見た目も美しい「うなぎ巻きかつ」

 さて問題の「うなぎ巻きかつ」を箸で持ち上げて、じ~っと眺めてみると……。中央に錦糸卵に包まれたうなぎが鎮座し、それを豚ロースで巻いてパン粉をつけて揚げてあります。つまり、本丸のうなぎは、卵と豚とパンという三重の城壁にガッチリ守られている状態。難攻不落の名城もかくやという堅固さです。

 お店の方から「うなぎにタレの味がついているので、そのままお召し上がりください」と言われました。さっそく1片を食べてみると、まずは軽いサックサクの衣に顎がびっくり。さすがとんかつ専門店です。

 しかし、歯を立てた瞬間、いきなりふわふわの柔らかなうなぎに到達して、その香ばしさが口中に広がりました。驚くことに、錦糸卵と豚ロースは前面に出てこないんです。予想では、うなぎと豚という両雄が並び立つイメージでしたが、あくまで主役はうなぎ。その両脇を支える卵と豚が、うなぎという主君をホールドし、さらにその味を尊重しているわけです。そしてまったく新しいとんかつとして成立しているんです。

岩手県産の「ひとめぼれ」を使用したご飯の炊き方も絶妙
国産の「ひとめぼれ」を使用したご飯の炊き方も絶妙

 そしてうなぎといえば、山椒。これをふりかけて、うな丼のようにご飯と一緒に食べたくなるのは、ニッポン人の性(さが)でしょう。そこで、「うなぎ巻きかつ」を丼にドン! 京山椒をたっぷりかけて、ご飯と一緒に食べてみると、濃厚な鰻のタレと、豚の旨み、そして衣がお米と混じり合って、噛めば噛むほど味わい深くて最高です。

 うな丼の味ではなく、印象としてはカツ丼に近い。でも、確かにうなぎ味。これ、説明が難しいのですが、ぜひ食べてみてほしいです。

 よくよく考えてみると、うなぎと豚って生まれも育ちも違うのに、栄養価でいえば、どちらも疲労回復に効果的なビタミンB1が多く含まれる食材。そう、夏バテしやすい今、積極的に食べるべき食材なんですよね。

 というわけで、「うなぎ巻きかつ御膳」は想像を超える美味しさでした。

(撮影・文◎土原亜子)

●DATA

とんかつ新宿さぼてん

https://shinjuku-saboten.com