噂の上陸系ハンバーガー店「UMAMI BURGER」に潜入【シェフと食べ歩き 後編】

「うまみ」の秘密を探るべく行列に並ぶ

「バーガー屋のハシゴは大丈夫ですか?」と聞くと、「続けて食べるのはぜんぜん平気ですが、ただ、2軒目はどうしたって分が悪いですよね」と言うので、腹を空かしていただくべく、「表参道まで歩きましょう」と提案した。とはいっても六本木から表参道までたった2キロだが‥‥。

 道すがら、原さんに「UMAMI BURGER」についてイメージを聞くと、
「ネット情報を見ていて気になったのは、バーガーよりも、ネオンの〈うまみ〉って文字です。海外だから漢字やひらがながカッコよく見えますが、〈うまみ〉は日本の昆布だしから発見された概念ですし、それをバーガーでどう表現するのか、それともただの流行なのか、ものすごく気になります」とのこと。

【シェフと食べ歩き】噂の上陸系ハンバーガー店「UMAMI BURGER」に潜入【後編】

「UMAMI BURGER 青山店」(東京都港区北青山 3-15-5 営業時間:11:00~21:30 LO)

 さて、到着したのは午後2時すぎ。こちらもやはり行列になっていた。ここでは事前にメニューを渡されることもなく、ひたすら並んで待つのみ。

 席に通されたのは並んで15分ほどだった頃。店内は、大テーブル、カウンター、テーブル席と分かれており、ハンバーガー屋さんというよりは、レストランバーのイメージに近い。
 テーブルに着くや否や、店員さんがお通しのピクルスとウマミケチャップを出してくれたので、筆者の気分はすっかり飲みムード。「クラフトビールもいいですねぇ」と、原さんをアルコールの世界に誘おうと試みるも、バーガーメニューに夢中の原さんには届かず。「何か気になりますか?」と聞くと、「だいぶ興味深いです」と神妙な顔で頷く。

【シェフと食べ歩き】噂の上陸系ハンバーガー店「UMAMI BURGER」に潜入【後編】

険しい表情でメニューを精読する原さん

 やがて顔を上げた原さん。どうやらメニューの解読が済んだようだ。
「ここの主力のハンバーガーは生の野菜をあまり入れていないので、パンと肉を味わう、バーガーの基本スタイルですね。それはある意味、日本のバーガー界では新鮮なことのように思います」

 確かに看板メニュー「ウマミバーガー」はビーフパティのほか、入っている野菜はすべてローストしている。「トリュフバーガー」に至っては野菜は一切なし。

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ウマミバーガー1380円。ローストシイタケ、ローストトマト、パリパリに焼いたパルメザンチーズ。キャラメルオニオン。

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トリュフバーガー1480円 オリジナルチーズにトリュフを溶け込ませた香り高いバーガー。