「六本木グルメバーガーグランプリ」に参加してわかった最強のハンバーガー4選

『ヒルズ ダル・マット』の
「フォアグラ+A5ランク山形牛ジューシーバーガートリュフ風味」

【特別限定メニュー部門】 「フォアグラ+A5ランク山形牛ジューシーバーガートリュフ風味」(2980円 ※以下すべて税込価格)ヒルズならではの“高級志向”な要望にみごとに応えた一品。添えられた自家製ピクルスが箸休めにぴったり
【特別限定メニュー部門】 「フォアグラ+A5ランク山形牛ジューシーバーガートリュフ風味」(2980円 ※以下すべて税込価格)ヒルズならではの“高級志向”な要望にみごとに応えた一品。添えられた自家製ピクルスが箸休めにぴったり

「フルーツの冷製パスタ」や「A5ランク山形牛のビステッカ」などのおまかせコースが人気で予約の取れないイタリアンレストラン『ヒルズ ダル・マット』が作るバーガーです。グランプリには2015年より参加。昨年、同じこのメニューでみごと「特別限定メニュー部門」のグランプリに輝きました。つまり、ディフェンディングチャンピオンということで、今年大注目の一品です。

 A5ランク山形牛150gパティの上に60gのフォアグラとイタリア産のサマートリュフがたっぷり乗って、お値段2980円という、ちょっと贅沢な一皿ですが、世のフォアグラ好き・トリュフ好きに大好評で、これを「目がけて」来店する人も多数。

 ポイントはそのやわらかな味わい。ミディアムレアに焼き上げた山形牛パティとフォアグラの食感がちょうどピタリと合致して、両者一体となり、やわらかく混ざり合います。その下にはドレッシングでマリネしたグリルドオニオンのサクサクとした歯ごたえ。やわらかなものの下に歯ごたえあるものを入れて、食感のバランスを整える設計です。

 仕上げに赤ワインとバルサミコを煮詰めた特製ソースの甘いスパイスの香り。後味をフォアグラがやわらかく締めくくっていました。さすが王者の風格。スパークリングワイン、またはビールとともに味わうのも楽しそうです!

『ブリコラージュ ブレッド アンド カンパニー』の
「黒ごま和牛炭火バーガー アリッサソース」

【特別限定メニュー部門】 「黒ごま和牛炭火バーガー アリッサソース」(1800円)。ランチタイムはスープとサラダが付いて同じ値段。同店のパンを酵母に発酵させたクラフトビール「bread」は昨今めずらしいくらいにモルティな一杯でおすすめ
【特別限定メニュー部門】 「黒ごま和牛炭火バーガー アリッサソース」(1800円)。ランチタイムはスープとサラダが付いて同じ値段。同店のパンを酵母に発酵させたクラフトビール「bread」は昨今めずらしいくらいにモルティな一杯でおすすめ

「食べログ」で全国最高得点をマークした大阪梅田のブーランジェリー『ル・シュクレクール』と、表参道のフレンチの名店『レフェルヴェソンス』、ノルウェー・オスロに本店があるコーヒーショップ『フグレントウキョウ』の3店がコラボした、話題の一店です。グランプリは今年が初参戦。

 ベーカリーだけあって「パンが主役」のバーガーです。黒ゴマを練り込んだ黒いバンズは「パンドミ」の生地がベース。卵・乳製品不使用、高加水で焼き上げたリーンなバンズで、かなり「もちっ」としていますが、生地の弾力は強過ぎず、口の中で「ダマ」にもならないという、今まで食べたことがないような不思議な食感のバンズでした。

 このバンズの味わいをメインに、北アフリカの調味料・アリッサソースと、ズッキーニのピクルスがその下で派手に暴れて、炭火で焼いた国産牛130gパティがその辛味と酸味の合間を埋めていくという、そんな組み立ての一品。

 パティの下には紫キャベツのザワークラウトが敷かれています。付け合わせはオーブンで1時間ローストしたのちフライにしたポテトと、グリーントマトのケチャップ。ランチはさらにスープとサラダが付いて1800円とお値打ち!

『シェイクシャック』の
「シャックスタック」

【レギュラーメニュー部門】 「シャックスタック」(1361円)。チーズフライとドリンクは別料金。ドリンクはレモネードからオリジナルビール、オリジナルワインまで多彩。今春登場の「アイスコーヒー」(411円)は華やかな味わいでありながらスッキリと切れ味があって、バーガーの供にも最適。
【レギュラーメニュー部門】 「シャックスタック」(1361円)。チーズフライとドリンクは別料金。ドリンクはレモネードからオリジナルビール、オリジナルワインまで多彩。今春登場の「アイスコーヒー」(411円)は華やかな味わいでありながらスッキリと切れ味があって、バーガーの供にも最適。

 グランプリには皆さんおなじみの店も参加しています。NY発のハンバーガーレストランと言えば『シェイクシャック』。その日本6号店が六本木店です。地下鉄日比谷線の西麻布方面改札真上の建物、ノースタワー1階にあります。66席を誇るテラス席は吹き抜ける風も心地よく、居心地上々!

「レギュラーメニュー部門」にエントリーしている「シャックスタック」は、いわば“全部乗せ”バーガー。ホルモンフリーのアンガスビーフパティ4オンス(推定113g)の上に、国内では稀少な「ポートベローマッシュルーム」のフライが乗った一品です。フライの中にはコルビー、モントレージャック、ティルジットのチーズ3種が入っています。

 かぶりつけば、衣サクサク、中からチーズが溶岩のように流れ出してジューシー。そのチーズのコク味にキノコの滋味が加わると、グンと旨味が増してきます。アンガスパティは外側を強く焼いて、でも、中はやわらか。特製シャックソースはガーリックが利いて「ランチソース」のような味わい。生地にジャガイモを練り込んだポテトバンズがこれらを挟みます。本職のハンバーガー屋らしい「カジュアル」な表情が魅力の、ハンバーガーらしいワクワク感に満ちたハンバーガーでした。

『とんかつ 豚組食堂』の
「チーズ in メンチかつバーガー」

【特別限定メニュー部門】 「チーズinメンチかつバーガー」(1800円)。ソフトドリンク付きでこの値段。げんこつ大のメンチかつもさることながら、サイドディッシュのアイデアも秀逸!
【特別限定メニュー部門】 「チーズinメンチかつバーガー」(1800円)。ソフトドリンク付きでこの値段。げんこつ大のメンチかつもさることながら、サイドディッシュのアイデアも秀逸!

 最後は変わり種の紹介です。変わり種と言っても、『とんかつ 豚組食堂』は「食べログ とんかつ百名店」にも選ばれた名店です。日比谷線の改札に近いノースタワー地下1階の店で、揚げ場を囲むカウンター席の奥には、7卓ほどのテーブル席も用意されています。

 グランプリには2016年から参加。今年は、国内の銘柄豚で作ったメンチかつの中にアツアツのチーズを仕込んだ「チーズinメンチかつ」のバーガーでエントリー。パン粉は長時間熟成の一等粉。揚げる油は最高級太白ごま油。とんかつ屋なので野菜は切りたてのキャベツを敷いて、そこへオリジナルのとんかつソースがかかるのですが、実はこれは「表」の顔。このバーガーには「裏」の顔がありまして、食べ進むうちに後半もうひとつの味が現れるという、「味変」バーガーに仕上がっています。

 ゴロンと迫力あるメンチかつはサイズ約150g。衣は適度なシャリシャリ感。胚芽入りのバンズの裏には「からしバター」が塗られ、おだやかなチーズ味の中にもほどよく辛味が利いて、まとまりを感じます。サイドはクリスカットのポテトフライに、焼きトマトとケッパーベリーの甘酢漬け。さらに冷製トマトコンソメスープという充実ぶり!

・・・・・・・

 野外でおこなわれるフードフェスと違い、いずれも店内できちんとテーブルに着いて食べるクオリティのバーガーばかり。しかも、6回目の開催ということで、普段はハンバーガーを提供していない店のバーガーにも「手慣れた」ものを感じました。

 グランプリは「投票」で決まります。期間は8月末まで。皆さんもぜひ食べて、審査して、投票して、国内有数のハンバーガーイベントにぜひご参加ください!

(撮影・文◎ハンバーガー評論家・松原好秀)

●DATA

「六本木グルメバーガーグランプリ2019」

日程:2019年7月13日(土)~8月31日(土)
住:六本木ヒルズとその周辺施設の飲食店 19店舗
https://www.roppongihills.com/sp/burger_2019/