インスタント史上最高?「広島式汁なし担々麺 キング軒」のシビ辛はカップ麺のレベルを超えてる!

インスタント史上最高?「広島式汁なし担々麺 キング軒」のシビ辛はカップ麺のレベルを超えてる!
2019年7月1日サンヨー食品から発売されたばかり | 食楽web

 先日、ローソンで、真っ赤なカップ麺「広島式汁なし担々麺 キング軒」(216円)を買いました。筆者は、東京・新橋にある『キング軒 東京店』を取材したことがあるので、「カップ麺でお店の味をどのくらい再現できているのかな」と食べ比べようと思ったからです。

 でも、本音を言えば、さほど期待していませんでした。この手のコラボ系カップ麺は、多くの場合、お店で食べるほうが美味しいよね、となるのがオチ。まあ、当たり前のことではあります。スープやタレ、具材を全て手作りする料理人の味と、お湯を注ぐだけのインスタント麺で、後者のほうが美味しいわけがありません。

 つまり、コラボ系カップ麺は、店の味の雰囲気を自宅でお手軽になんとなく感じられるだけの役割なことが多いわけです。そんなわけで、半ば、どうでもいいと思って食べてみると…

 えー!!!

 と自分の声に驚くくらい美味しい。なにこのクールなシビレ感! ついさっきまでの投げやりな気分でいた自分を猛省せざるを得ません。これは、まさにお店で食べた味に限りなく近く、いやそれ以上かも? と思ってしまうくらいの旨みです。

 ミスター味っ子ふうに表現すると、次のようになります。最初に花椒の香りとシビレ感がやってきて、次に辣油の香りと辛さが主張してきます。その後、酸味、甘み、塩気、苦味といった複雑な味が追いかけてきて、芝麻醤と醤油ダレの旨み、甘みがまとめあげる…。以前、旅行で行った中国・四川省で食べた「汁なし担々麺」を思わせる、非常にシャープな味わい。

 確か『キング軒』では細麺を55秒間だけ茹で、ちょっぴり硬めで、タレとの絡み具合を絶妙に仕上げるのですが、このカップ麺の麺は、それと同様の食感に仕上がっています。

 また、お店では辛さの元である辣油も自家製の「五香辣油」で、最低1か月半寝かせて熟成させているものを使っていました。さらに香りとシビれの元、花椒は四川省から数種類を取り寄せて独自にブレンド。それを毎日使う分だけを挽いていました。このカップ麺の中に、まさにそんなお店の手作りのこだわりが忠実に再現されているかのように感じたのです。

 これは、「カップ麺史上、最高の汁なし担々麺だ」と断言したいくらいです。ここで、ふとあることを思いついたのです。これを皿に盛り付けて夕飯に家族に出してみたらどういう反応だろうか、と。早速、家族の人数分を買いにコンビニに走りました。

 もちろんカップ麺ですから作り方は簡単。蓋を開けて、付属のかやく(肉味噌と乾燥ネギ)を投入し、熱湯を注いで待つこと3分。そして、湯を専用の排出口からきっちり出して、蓋を剥がし、付属のあといれ調味料2つ(スープと、調味だれ)を入れて混ぜるだけ。一番難しいのは、この工程を家族に見られないことです。

 完全犯罪を目論むために、カップから白皿に移し、その上に刻んだネギを載せることも忘れてはいけません。つまり、今回、筆者はお湯を沸かし、青ネギ白ネギを刻み、作っている工程を見られないことだけ努力しました。

 ちなみに『キング軒』には美味しい食べ方のルールがいくつかあって、特に大事なのは、食べる前に30回以上かき混ぜることです。ぐるぐるっと混ぜて完成です。

 さっそく家族に食べてもらいました。

「辛くてシビれる!」「口の中が熱い!」「美味しい」「上品な味」と、カラシビ感を存分に楽しんでくれました。誰もこれがカップ麺だとは微塵も疑っていません。これは大成功です。最後には「また作ってね」という嬉しい言葉もありました。

 結論、この「広島式汁なし担々麺 キング軒」は、手作り感も出せてしまうほど、すごいインスタント麺だということです。

 あとは、ゴミ箱に捨てた容器や調味料の袋さえ、見つからないように後始末すれば、家族に犯行を疑われることもありません。ぜひ、カップ麺の「広島式汁なし担々麺 キング軒」をお試しください。

(撮影・文◎土原亜子)