「日本ワイン祭り」で新潟ワインを片っ端から飲んでわかった最旬ワインはコレ!

“雪室貯蔵”が珍しい「越後ワイナリー」

 新潟ワインコーストからは少し離れた、南魚沼市に位置する「越後ワイナリー」は、1975年創業のワイナリーです。雪深いエリアにあることを活かし、同ワイナリーでは地上2階、地下1階分の高さのある「雪室(ゆきむろ)」があります。

 雪室とは、上越に伝わる天然の冷蔵庫のこと。雪で室内を冷やすことで、省エネ化を図れるだけでなく、室内を一定温度で冷やせるというメリットがあります。そんな雪室で貯蔵したのが「越後ワイン メルロー」です。

「越後ワイン メルロー」は南魚沼産のメルロー種を100%使用
「越後ワイン メルロー」は南魚沼産のメルロー種を100%使用

 雪室で熟成したからといって味に大きな違いがあるかどうかは残念ながらわからなかったのですが、熟成させる過程で「一定温度で冷やす」ことで、ワインにできるだけストレスを掛けずに仕上げられるそうです。辛口のミディアムボディで、穏やかな酸味と柔らかいタンニンが特徴。幅広い料理に合わせやすいワインに仕上がっていました。

「岩の原葡萄園」は日本最古のワイナリー

 “日本のワインぶどうの父”と呼ばれるのが、「岩の原葡萄園」の創業者である川上善兵衛氏です。1890年に同ワイナリーを開設。1万回以上の品種交雑を行い、そのなかから「マスカット・ベーリーA」などの優良22品種を世に送り出しました。

 そんな岩の原葡萄園のワインで筆者が試飲したのは「ローズ・シオター 2016」という銘柄。こちらは川上善兵衛氏が交配したオリジナル品種で作られたワインで、2017年秋に登場した自園産葡萄シリーズとなっています。

「ローズ・シオター 2016」は辛口の白ワイン。しっかり冷やして飲むだけでなく、常温で楽しむのもアリ
「ローズ・シオター 2016」は辛口の白ワイン。しっかり冷やして飲むだけでなく、常温で楽しむのもアリ

 りんごや洋梨系の優しい香りと、穏やかな酸味が特徴。10=12℃で冷やして飲むとキリッとしたワインなのですが、温度が上がるにつれ味に丸みが生まれるという特色があります。バランスが良く、食中酒としては抜群のワインです。

 これまで知らなかった日本ワインに出会いたい人にぴったりな「日本ワイン祭り」。これからの季節は全国各地で日本ワインにイベントが開催されるので、一度足を運んで日本ワインの魅力に触れてみてくださいね。

(取材・文◎今西絢美)

●DATA

日本ワイン祭り

https://nihonwine-matsuri.jp/