「日本ワイン祭り」で新潟ワインを片っ端から飲んでわかった最旬ワインはコレ!

自然派ワインが楽しめる「フェルミエ」

 家族経営の農園ワイナリーである「フェルミエ」も、新潟ワインコーストにあるワイナリーのひとつです。フェルミエの創業者である本多孝氏も、「カーブドッチ・ワイナリー」主催のワイナリー経営塾で学び、2006年に創業したそうです。

 同ワイナリーではドメーヌワインを中心に、野生酵母による自然発酵に任せ、ワインの移動時や瓶詰め時は重力や不活性ガスで圧送する手法を採用し、できるだけワインにストレスをかけないことを心掛けています。

試飲した「Sarari(サラリ)」は同ワイナリーのなかでも変わり種
試飲した「Sarari(サラリ)」は同ワイナリーのなかでも変わり種

 今回は「Sarari」というワインを試飲したのですが、こちらは新潟市内の大野果樹園の「ロザリオ ビアンコ」を使っているそうです。イベントでの出品と新潟ワインコースト内の「Cote a cote」でのみ販売されているレアなワインで、名前のとおり、とにかく軽やかな白ワインでした。

日本ワインには珍しいイタリア品種のぶどうを扱う
「カンティーナ・ジーオセット」

「カンティーナ・ジーオセット」は、新潟市の西武30mkに位置する角田浜で2011年に誕生したワイナリーです。創業者の瀬戸潔氏は、2010年まで広告業界に勤めており、出身地である東京を離れ、同年秋に「カーブドッチ・ワイナリー」でブドウ栽培とワイン醸造を一から学び、2013年5月に果実酒製造免許を取得したそうです。

 2014年から自園ワインをリリースしており、今回のイベントでは5種類のワインを出品。なかでも珍しいのが、「ネッビオーロ/テッレニイガターネ」というワインです。

「ネッビオーロ/テッレニイガターネ」は左から3番目のボトル
「ネッビオーロ/テッレニイガターネ」は左から3番目のボトル

 ネッビオーロはイラリア北部で栽培されている赤ワイン用のぶどうで、かなり強めのタンニンと酸味があります。皮が薄くて病気にかかりやすいことから栽培が非常に難しく、原産地のピエモンテでも選ばれた地域でのみ作られているそうです。

 色味は淡い赤色なので軽い口当たりなのかと思いきや、タンニンがしっかりしていて、日本で醸造されるワインとは思えないほど。熟成を経ておいしさを発揮するワインなので、デキャンタして飲むのが良さそうです。

2015年にオープンしたばかりの新鋭
「ルサンクワイナリー」

「ルサンクワイナリー」は、2015年10月にオープンした、新潟ワインコーストで5つの目のワイナリー。ルサンク(Le CINQ)のCINQはフランス語で数字の「5」という意味。同ワイナリーではテロワールや品種の特徴を素直に活かしたワインを追求しているそうです。

今回試飲したのは「2016シャルドネ(樽熟)」
今回試飲したのは「2016シャルドネ(樽熟)」
新潟県産のシャルドネを100%使用。フレンチオーク樽で熟成している
新潟県産のシャルドネを100%使用。フレンチオーク樽で熟成している

 こちらのワイナリーのモットーは「トラディショナルでエレガント」。このワインはまさにそんな味わいで、フルーティーな香りと穏やかな酸、洋梨やパイナップルのような味わいが楽しめます。